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中国からの便り

第168回:コロナ禍で激動の2カ月 緊張と安堵が交差する日々

上海随一の繁華街「南京東路」。3月上旬は歩行者天国も閑散としていた

「検疫官が検査します。このまま待機してください」――。今年1月28日、飛行機の機内で流れたアナウンス。私も乗り合わせていた上海着の便だ。「なんで湖北省の人を乗せたんだよ!」との怒号が響いた。電話で当局かどこかに訴えているようだ。殺伐とした雰囲気の中で待つこと1時間。新型コロナウイルス感染の疑いがあった数名の陰性が分かったので、全員が無事に"解放"された。

それから数日後、上海市は一気に「ゴーストタウン」と化した。私が住むマンションでは、三カ所ある出入口のうち二つが突然封鎖された。人の出入りをコントロールするのが目的で、住民以外は立ち入り禁止。レンガや木板などを使って強引に出入口を封鎖する所もあり、街全体に一気に緊張感が走った。

生活面で困ったのは食料の確保だ。ネットスーパーでは、早朝にもかかわらず生鮮食品はほとんど売り切れ。大型スーパーでも、残っているのは傷んでいる野菜だけという日もあった。驚いたのは、普段は1袋3元(約45円)の小ネギが2倍以上の7.5元に値上がりしていたこと。ただ、これについてはネット上で非難の声が上がり、「国難発財(国の災難をチャンスと見てお金儲けをする)」行為と強烈に叩かれた。すぐさま市政府が立ち入り検査に入ると、次の日には普段の値段に戻る素早い変わり身。罪滅ぼしなのだろうか、生鮮食品の量も前日より格段に増えていた。

2月中は外出を控えるムードが強まり、街から人や車が消えた。そんな中で目立ったのは、大量の買い物袋を持って走り回る配送スタッフだ。美団点評(メイトゥアン)やアリババ系の餓了麼(ウーラマ)などのフードデリバリー業者は、生活用品の買い出しサービスも提供している。"買い溜め"目的で大量注文をする人も多いため、荷物は自然と多くなる。その重さで体のバランスを崩しながらも走り続ける"配送男子"。彼らを見ると、思わず「頑張れ!」と応援してしまう。春節(旧正月)期間の配送料は値上がりし、配送スタッフの実入りも多くなる。これを「稼ぎ時」と見て、帰省しなかった者も大勢いるよう。新型コロナ禍でまさかのデリバリー需要増。上海の日常生活を支えたのは彼らである。

一方、極端な出来事もあった。新型コロナの感染が深刻になった武漢、そして湖北省。重慶に住む知人は、自宅マンションの敷地内で湖北省ナンバーの車を発見し、地元の役場に通報したという。同省からの"脱出者"を隔離すべきと思ったようだ。私が「ちょっとやり過ぎじゃない?」と言うと、「命に関わることだ!間違えて1000人を通報したとしても、疑いがある者は1人も逃がさず」と戦国武将並みの気迫でバッサリ斬られた。この過激な風潮。早く平時に戻ってほしい。

徹底的な封じ込めと取り締まりが奏功し、中国では3月に入ると新型コロナの新規感染者数が激減した。一方、海外からの帰国者・入国者による「輸入感染」への警戒感が高まっている。

最近、マンションの管理人から「日本から親戚は来ていないよね?」と度々聞かれる。私への監視の目が強まっている気がしないでもない。1月末に日本から戻って来たときは、「家を出る時はマスクを忘れずにね」と優しく声をかけられたものだ。当時は「日本から来たのなら安心・安全」と思われていたのだろう。今や立場逆転。「日本から来ました!」と胸を張って言うのはいささか憚られる。何とも複雑な気持ちだが、静かに、そして目立たぬようにこの難局を乗り切るしかないと自分に言い聞かせている。

(東洋証券上海駐在員事務所山藤 秋男)

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