方向感を探る展開か
6/3-6/7の米国株式市場は、重要な経済統計の発表を控え方向感を探る展開を想定する。
世界景気に対する不透明感が続くなか、米国市場は弱含みの推移が続いている。
S&P500種オプション市場の動向を見ると、6月限の2750ptのプット(売る権利)の建玉が9万枚を上回る水準まで積み上がっている(5/29現在)。インザマネーに近づくと原資産がオプション価格に与える影響が大きくなり、それに併せたポジション調整が入る可能性がある。来週のS&P500種は同水準での攻防となる公算が大きい。
堅調な雇用環境は継続か
経済指標は6/5の5月ISM非製造業景況指数と米国の労働市場を見る上で6/7の雇用統計の発表に注目している。Bloombergによる事前予想中央値は5月ISM非製造業景況指数が56.2(4月は同55.5)と若干の持ち直しが見込まれる。
雇用統計の非農業部門雇用者数変化は、前月比19.5万人増(4月同26.3万人増)との予想だが、過去の非農業部門雇用者数変化を月別に見ると、5月は1年の中で事前予想に対して比較的大きくぶれる傾向にあり注意が必要か。もっとも、仮にマーケットがネガティブな反応となった場合でも、現状の米国雇用情勢は失業総数に対して産業別求人件数が上回っている状況が続いており、雇用環境は悪くないと考える。成長セクターへの投資が有効か。
銘柄選別が重要
米主要株価指数が軟調に推移するなか、逆行高している銘柄も散見され、成長が見込めるセクターからの銘柄選別を行いたい。
コミュニケーション・サービスの成長セクターや6月に決算発表が多い情報技術などに注目か。セールスフォースドットコム(CRM、6/4)やアドビ(ADBE、6/18)などが決算発表のため、その結果を参考にしたい。
(5/30記 マーケット支援部 佐藤)