中国の夏は今年も暑くなりそうだ。昨年よりやや穏やかになるとされるが、記録的な暑さになる見込みは変わらない。市場ではビールやアイスクリーム、エアコン関連のセクター・銘柄が注目されよう。
中国は昨年、久々の猛暑となった。主要都市の夏場の平均最高気温は前年比で大きく上昇し、重慶では8月に40.2℃を記録した。
今年もすでに暑い日々が続いている。上海では5月29日に最高気温が36.1℃まで上昇し、5月としては観測史上最高を記録した。国家気候センターは、中国の大部分の地域で夏季(6~8月)の気温が例年より高くなると予想。華東や華中、新疆などのエリアでは最高気温35℃以上の日が例年比でやや多くなるという。日本の気象庁は6月、エルニーニョ現象が今春に発生したと見られると発表。同現象は異常気象の原因となることもあり、中国では雲南省一帯での干ばつ、河南省を中心とした豪雨など自然災害が相次いでいる。関係性は不明も、これから夏本番を迎える中、気候変動への警戒感が高まりそうだ。
2017年の猛暑の際のサマーストックの値動きを見ると、「勝ち組」はアイス最大手の内蒙古伊利実業集団(600887)だ。エアコン最大手の珠海格力電器(000651)も夏場以降に買われやすい傾向にあり、「暑さに強い」銘柄と言える。青島ビール(00168)は読めない点もあるが、今年5月は19.5%下落と大幅調整しており、今後の巻き返しに期待したい。一方、発電大手の華能国際電力(00902)はやや淡白な値動き。電力需要の増加を受けて注目されやすいが、株価面でのポジティブな反応は限定的だった。今夏の値動きを占う参考にされたい。
(上海駐在員事務所 奥山)