4/1~5の中国株式市場は堅調に推移すると見込まれる。香港市場は4/1がイースター・マンデー、4/4が清明節で祝日。本土市場は4/4~5が清明節で祝日。
足元では決算発表が続く。3/20に発表のテンセント(00700)は、前年に美団株の現物配当に伴う特別利益の計上の反動もあり、純利益はBloomberg市場予想を下回る前年比-39%。3/21に発表の中国平安保険(02318)は、資産運用部門が大幅赤字となり純利益は同-23%となった。一方、3/22に発表の美団(03690)は売上高が同+26%、純損益は黒字転換し、市場予想を上回った。国有企業の23年税前利益は前年比+7%と堅調だったが、個別上場企業の業績はマチマチの印象。このような中でも、中国株式市場が相対的に確りしている背景は、市場センチメントの改善であろう。特に、3/23にアップルが中国で販売する製品に百度(09888)の生成AIを組み込む交渉をしていると報じられた。中国の技術の高さを示し、ハイテク企業にとって好材料であろう。
3月乗用車販売台数は前年同月比+4%(2月は同-21%)と伸び率がプラス転化、また都市部道路の渋滞は悪化しているようだ。景気は持ち直しつつあるようで、3/31に発表予定の3月購買担当者景気指数(PMI)の改善が期待される。中国株が足元で堅調のため、中国内外の運用会社の中には4~6月期に中国の投資比率を引き上げるところも出て来よう。4月第1週の中国株式市場は堅調に推移すると考える。
(3/27記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
アリババ集団(香港・09988 / Z8924)
◆主力のEC事業のほか、クラウド、フィンテック、ネット出前や物流など幅広いサービスを提供
◆23年10~12月期(3Q)の売上高は前年同期比5%増、一時的な損益などを除くNon-GAAPベースの純利益は同4%減、純利益は同69%減となった
◆海外や物流事業などは大幅増収で事業間のシナジー効果の創出に注力。23年3Q、阿里国際数字商業集団(海外ネット通販のLazadaなど)は前年同期比44%増収、物流事業の菜鳥(ツァイニャオ)集団は同24%増収となった。23年4月に発表された生成AI「通義千問」の応用を進めており、クラウド業界における同社の競争力強化を後押しする見込み
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
科大訊飛(アイフライテック)(深センA・002230 / Z8624)
◆音声認識、機械翻訳、自然言語処理などの同社AI技術は世界のトップレベル
◆23年12月期通期の業績ガイダンスによると、オープン・プラットフォームや消費者向けが好調で、前年比約7%増収、同15~30%増益。特に10~12月期は業績が大幅改善の見込み
◆23年5月に大規模言語モデルを発表以来、既に複数回のバージョンアップを実施。24年1月発表の「訊飛星火認知模型」V3.5 は数学と中国語の性能で米OpenAI社の「GPT-4 Turbo」を超えたと言われる。進化が続く同社生成AIは新たな商機を広げよう。医療業界向けAIソリューション子会社、訊飛医療科技が香港市場でのスピンオフ上場を計画
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)