3/4~8の中国株式市場は概ね安定した推移となろう。
2/23に発表された1月の主要70都市新築住宅価格の前月比平均は0.37%低下と12月の同0.45%低下から低下幅が縮小、1月の新築住宅販売状況が12月程悪くなかった可能性がある。また、同日に習近平氏が主催した中央財政委員会では、大規模な設備刷新と自動車や家電など耐久消費財の買い替え政策を進める方針を示した。また、決算発表では、中国最大のオンライン旅行予約サイトのトリップドットコム(09961、2/21発表)や世界最大のPCメーカー、レノボ(00992、2/22発表)は市場予想を上回る決算を発表。中国でも徐々に良いニュースに恵まれつつある。
3/5に開催予定の全国人民代表大会(全人代)では、今年の成長目標を24年同様に5%前後に設定し、前述の設備投資や消費刺激策が発表されよう。また、新築住宅販売促進策についても言及する可能性がある。ただし、中国株式市場は、香港市場、本土市場共に2/5に直近の下値を付けた後、政府の株価支援策や金融緩和等を背景に反発している。ハンセン指数は2/5の安値から2/26までに8.5%上昇し、昨年末の17,047に迫り、上海総合指数は13.0%上昇し、昨年末の2,974を上回った。株価反発後の達成感もあることから、3/4の週は自動車や家電等の政策関連銘柄が物色されるとみられるものの、株価は概ね安定して推移しよう。
(2/28記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
思源電気(シーユェン・エレクトリック)(深センA・002028/Z9085)
◆開閉装置(スイッチ)、変電所の保護継電器やセキュリティ設備、コンデンサ装置などを生産。顧客は送電世界最大手の国家電網や南方電網など
◆23年12月期は前年比18.2%増収、同26.6%増益(速報ベース)。2期ぶりの二桁増収増益。24年通年は受注額と売上高でいずれも二桁成長を目指す
◆国家電網からの落札シェアは、隔離スイッチが16%(中国2位)、電力設備の保守点検などで使われる断路器が21%(中国1位)。また、24年は政府が送配電網のデジタル化を重点投資分野とする中、同社はAIやブロックチェーン開発の企業を設立しており(24年1月発表)、政策の後押しが期待できそう
(上海駐在員事務所 山藤)
宇通客車(ユートン・バス)(上海A・600066/Z8641)
◆24年1月のバス販売台数は前年同月比121.8%増の2797台(うち大型バスは同210.5%増)
◆23年7~9月期は売上高が前年同期比61.4%増、純利益が同195.9%増。同社は23年通期の純利益が前年比85~150%増、非経常損益などを除く純利益が同340~500%増と見込む
◆海外市場におけるバスの需要増が業績に寄与。同社の23年のバス輸出台数は前年比78.9%増の1万165台に達し、海外部門の売上比率も上昇(22年は30%)。また、国内旅行ニーズの高まりも業績を押し上げた。23年の国内バス販売台数は前年比7.5%増の2万6353台に上った。24年も販売増が見込まれる
(投資情報部 呉)