8/1~8/5の中国市場は個別物色の展開となろう。
中国政府は住宅ローン不払い問題に対し、住宅の建設再開や顧客への住宅引き渡しを促す一方、不動産会社のファイナンスは「秩序ある状態」を維持するようだ。建設中断物件がどの程度建設再開されるかは不透明。住宅ローン問題の影響か、新築住宅販売の低迷が続いており、早期解決が望まれる。
7/26にはアリババ集団(09988、BABA)が香港市場でプライマリー上場を申請すると発表。同社は14年に米国市場に上場し、19年に香港でセカンダリー上場を果たした。ただ、米当局への財務情報開示問題で米上場廃止リスクもあり、香港のプライマリー上場が米上場廃止の備えとも捉えられる。
7/31には7月の購買担当者景気指数(PMI)が発表される。中国景気は4月の都市封鎖による停滞から持ち直しつつあるが、7月は新型コロナの感染拡大等を背景に景気は足踏み状態であろう。また、7月末に開催が見込まれる党中央政治局会議では、年後半の経済政策として過度な景気刺激策は期待できないものの、小規模な刺激策が発表される可能性はあろう。更に、8/3には貴州茅台酒(600519)の決算発表が予定され、中国にも決算発表シーズンが訪れる。
株式市場は全般的には方向感のない展開とみるが、景気刺激策や決算を受けて個別物色が進む可能性があろう。
(7/27記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
香港証券取引所(ホンコン・エクスチェンジ・アンド・クリアリング)(香港・00388/Z2888)
◆香港の証券・先物取引所。過去13年間のうち、IPO調達額で世界首位は7回
◆22年1~3月期は前年同期比31%減益。前年同期の高水準の売買代金の反動減やIPO市場の低迷などの影響を受けた
◆ストックコネクト経由の取引拡大期待高まる。アリババ集団(09988)が香港市場を主要市場に変更し、米ニューヨーク証券取引所との「デュアルプライマリー上場」の形に切り替える方針を明らかに。今後米上場の中国企業に同様の動きが広がる可能性高まる。香港当局が進めるストックコネクト「サウスバウンド」対象銘柄の人民元建て取引導入計画も追い風に
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
明陽智慧能源集団(ミンヤン・スマート・エナジー・グループ)(上海A・601615/Z9101)
◆洋上風力発電に注力、発電効率に優れる風力発電設備の大型化を推進し、発電量が16MWに達する世界最大の風力発電設備を開発。洋上風力発電設備市場シェアは5.5%(18年)⇒26.1%(21年)へ拡大
◆コア部品内製化もあり、21年の粗利益率は前年比2.8pt上昇の21.4%。22年1~3月期は前年同期比63.4%増収、398.5%増益と好調
◆中国はカーボンニュートラルを目指し、第14次五カ年計画で風力発電を推進。特に沿海部への効率的な電力供給のため、沿海の洋上風力発電に力を入れる。21年の洋上風力発電容量は前年のほぼ3倍に急伸。原材料価格の低下も見込め、今後の収益性向上に期待
(投資情報部 呉)