22日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日ぶりに大幅反発した。終値は前日比667.94pt(3.14%)高の21,889.28ptと、4日以来およそ2週間半ぶりの高値を回復した。自社株買い枠を拡充した中国電子商取引(EC)大手アリババ集団(09988)が同11%高となり、中国ネット株の先高観が再燃した。香港域内の経済活動の正常化や中国の政策への期待も地合いを支え、ハンセン指数は午後に上げ幅を広げた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」も3営業日ぶりに急反発し、終値は同5.37%高の4,653.70ptと、4日以来の高値を回復した。米長期金利の上昇を受け、金融株も買われた。資源株や消費関連も高かった。反面、香港の不動産株や公益株の一部はさえなかった。墜落事故を起こした中国東方航空(00670)も軟調だった。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1403億香港ドルとなった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで10億7300万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比254ドル47セント(0.7%)高の34,807ドル46セントで終えた。利上げ加速の観測から米長期金利が上昇し、金融株の追い風になった。前日夕に市場予想を上回る決算を発表したスポーツ用品のナイキが買われ、他の消費関連銘柄にも買いが波及した。反面、米原油先物相場が反落し、石油のシェブロンが安く、資源相場に連動しやすい建機のキャタピラーも下げた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、同270.357pt(2.0%)高の14,108.817ptで終えた。
本日の香港株式市場はもみ合いか。前日の米国株式市場で主要株価指数が上昇した流れを引き継ぎ、高く始まるとみられる。ただ、ハンセン指数は前日に3%超上昇しただけに利益確定売りも出やすく、指数は小幅なレンジでのもみあいとなりそうだ。
予定では、騰訊控股(テンセント、00700)、吉利汽車((ジーリー・オートモービル、00175)、海底撈国際控股(ハイディーラオ・インターナショナル・ホールディング、06862)などが12月期決算を発表する。
(マーケット支援部 床井)
堅調な展開か
22日の中国・上海株式市場は小幅に5日続伸した。上海総合指数の終値は前日比6.1762pt(0.18%)高の3,259.8619ptと、約2週間ぶりの高値を付けた。朝方は短期的な利益を確定する売りが先行したが、中国当局による政策期待も続き、次第にリスク選好の買いが優勢になった。不動産や金融、通信株が高く、石炭や石油など素材・資源株も買われた。農業や建材株も堅調だった。反面、医薬や酒造、バッテリー関連株が安く、軍需や空運、観光関連株も売られた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9627億元と節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで9億2200万元の売り越しだった。個別では、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、順豊控股(S.F.ホールディング、002352)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は堅調な展開か。上海総合指数は前日までに5日続伸しただけに、短期的な利益確定売りが出そうだ。ただ、当局への政策期待と前日の米国株の上昇が支えとなり、堅調な展開が想定される。
(マーケット支援部 床井)