27日の香港株式市場は大幅に反落した。ハンセン指数の終値は前日比482.90pt(1.98%)安の23,807.00ptだった。心理的節目の24,000ptを下回り、およそ2週間ぶりの安値を付けた。26日まで開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や、その後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見などを受け、米金融引き締めに対する警戒感が強まった。特に中国ネット大手株の下げが目立った。アリババ集団(09988)は上場来安値を更新。出前アプリの美団(03690)とともにハンセン指数をそれぞれ100pt超押し下げた。スマートフォンの小米(01810)やゲームの網易(ネットイース、09999)、動画配信のBilibili(ビリビリ、09626)も大幅安となり、スポーツ用品の李寧(02331)や中国火鍋チェーンの海底撈国際控股(06862)が下落した。香港メーンボードの売買代金は1334億香港ドルだった。中国本土が来週から春節(旧正月)に伴う大型連休に入るため、中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は停止していた。
27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前日比7ドル31セント(0.02%)安の34,160ドル78セントで終えた。午前中に600ドル強上げた後は急速に伸び悩み、下げに転じて終えた。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融引き締めに前向きな方針が示されたが、引き締めのペースには不透明感が強い。金融政策の先行きが読めず、不安定な相場展開が続いた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、前日比189.336pt(1.4%)安の13,352.783ptと昨年5月以来の安値で終えた。
28日の香港株式市場でハンセン指数は軟調な展開か。米国株式市場下落の流れを受け、売りが先行しそうだ。ストックコネクト・サウスバウンド取引は2月4日まで停止。中国本土からの資金流入もないことにより、低調な商いが続くと予想される。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
27日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比61.4205pt(1.77%)安の3,394.2474ptだった。心理的な節目の3,400ptを下回り、約6カ月ぶりの安値水準となった。朝方は小幅に上げたが、米連邦準備理事会(FRB)が26日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)後の声明で金融引き締めに前向きな姿勢を示したことを警戒した売りが優勢に転じた。海外資金の流出懸念も相場の重荷となった。指数はこの日の安値圏で引け、ほぼ全面安の展開だった。とりわけ化学や海運など景気敏感株が安く、半導体や電子製品、バッテリー関連株も売られた。資源や素材株の一角にも売りが出た。半面、中国当局による貴州省への政策支援から、貴州茅台酒(600519)など貴州省関連株が逆行高。石炭株の一角も買われた。中国国内では春節(旧正月)の大型連休を控えており、商いは低調だった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は8229億元となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで146億2400万元の売り越しだった。個別では、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、などが売り越しとなった。
28日の中国本土市場はもみ合いか。来週(1月31日)から春節(旧正月)の大型連休に入ることにより、全般的に様子見ムードが広がりそうだ。
(マーケット支援部 林)