7日の香港株式市場は3営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日比634.28pt(2.71%)高の23,983.66ptだった。指数は前日に年初来安値を付けており、朝方から値ごろ感を意識した買いが先行した。前日の米株高や中国当局の景気下支え策が、投資家心理の支えになった。7日発表の中国の11月の貿易統計で輸出が市場予想を上回ったことも相場の支援材料となった。指数は午後に上げ幅を広げた。 中国電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)が同12%高と、過去最大の上昇率になった。検索大手の百度(バイドゥ、09888)や動画配信のBilibili(ビリビリ、09626)が急伸。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は4営業日ぶりに反発し、同4.20%高だった。住宅需要を満たすために中国当局が2022年向けの不動産政策を策定すると伝わり、中国不動産株が高かった。アジア時間7日が猶予期限の米ドル建て社債の利息を支払わなかったと伝わり、債務不履行(デフォルト)が意識された中国恒大集団(03333)も上昇して終えた。香港メーンボードの売買代金は1534億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで31億6500万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比492ドル40セント(1.4%)高の35,719ドル43セントで終えた。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」のまん延が米景気の悪化につながるとの懸念が和らぎ、景気敏感株に買いが入った。投資家心理が強気に傾き、ハイテク株にも押し目買いが広がった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比461.763pt(3.0%)高の15,686.916ptで終えた。
8日の香港株式市場でハンセン指数は上値の重い展開か。米国市場の上昇の流れを引き継ぎ、買いが先行しそうだが、米国が北京冬季五輪に「外交ボイコット」を発表したことによる先行き不透明感の強まりで、利益確定売りが膨らむ公算が大きいと思われる。個別では、「中国版ツイッター」と称される微博(ウェイボー、09898)が香港メーンボードに重複上場する予定。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
7日の中国・上海株式市場は小反発した。上海総合指数の終値は前日比5.7821pt(0.16%)高の3,595.0882ptだった。中国人民銀行(中央銀行)が前日に市中銀行から強制的に預かる資金の比率を示す預金準備率の引き下げを発表し、金融緩和によって株式市場に投資資金が流入するとの期待が広がった。中国税関総署が7日午前に発表した11月の輸出も堅調な内容で、投資家心理を支えた。大型株で構成する上証50指数と上海・深センの主要銘柄で構成されるCSI300指数がそれぞれ上昇した。準備金負担の軽減期待から銀行株が全面高となった。不動産市場への資金流入期待も強まり、不動産関連にも買いが入った。資源・素材株が買われ、電力株の上昇も目立った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで79億4900万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
8日の中国本土市場はもみ合いか。目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)