15日の香港株式市場は5日続伸した。ハンセン指数の終値は前週末比62.94pt(0.24%)高の25,390.91ptとなり、10月28日以来の高値を付けた。5日続伸となるのは、2月17日までの7日続伸以来およそ9カ月ぶり。前週末の米株高や米中関係の改善期待が投資家心理の支えとなった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数も5日続伸し、同0.54%高で終えた。一方で、短期的な利益確定目的の売りが上値を抑えた。15日に発表された10月の中国の主要な経済統計では、小売売上高や工業生産高が市場予想を上回ったが、相場の反応は限られた。香港メーンボードの売買代金は1185億香港ドルと、前週末から1割超減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで15億2900万香港ドルの売り越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前週末比12ドル86セント安の36,087ドル45セントで終えた。米長期金利が上昇し、高PER(株価収益率)銘柄のハイテク株の一角に相対的な割高感を意識した売りが出た。16日に10月の米小売売上高や米小売り大手の決算発表を控え、様子見ムードも強かった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに小反落し、前週末比7.112pt安の15,853.846ptで終えた。
16日の香港株式市場でハンセン指数は上値の重い展開か。米中関係の改善期待により、買いが先行しそうだが、米長期金利の上昇を受けて、ハイテク株を中心に利益確定売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
15日の中国・上海株式市場は3営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前週末比5.7976pt(0.16%)安の3,533.3026ptだった。16日に米中両首脳のオンライン協議を控え、朝方は米中関係改善への期待から買いが先行した。ただ、前週末に約2週間ぶりの高値を付けており利益確定や戻り待ちの売りが出た。中国国家統計局が15日午前に発表した工業生産高など10月の主要経済指標は強弱入り交じる結果だった。北京証券取引所が15日に取引を開始し、新規上場の10銘柄が軒並み上げたが、店頭市場「新三板」から移管された優良銘柄の70銘柄は売りが優勢となった。自動車やバッテリー関連、化学株が安い。半導体や不動産、軍事関連株が売られた。半面、食品や医薬、メディア株が高く、電子部品株の一角も買われた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで33億8300万元の買い越しだった。個別では、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買い越しとなり、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)、国軒高科(ゴーション・ハイテック、002074)などが売り越しとなった。
16日の中国本土市場はもみ合いか。10月の小売売上高と鉱工業生産は予想を上回ったものの、固定資産投資は伸び悩んだ。不動産部門減速の懸念が払拭できず、上値は限定的となりそうだ。一方で、米中首脳会談は日本時間16日午前9時45分から数時間行われる予定で、米中関係改善期待も支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)