11日の香港株式市場でハンセン指数は3日続伸した。終値は前日比251.85pt(1.00%)高の25,247.99ptと心理的な節目の25,000ptを超え、10月29日以来ほぼ2週間ぶりの高値を付けた。朝方は前日の米株安を嫌気する売りが先行したが、この日の中国・上海株が不動産業界の経営不安後退などを手がかりに買われ、香港市場でも投資家心理が改善。幅広い銘柄に買いが入った。中国の不動産実需の好調を示す統計や不動産企業の資金調達の環境整備などが伝わり、中国海外発展(00688)をはじめ中国の不動産株が連日急伸した。香港メーンボードの売買代金は1363億香港ドルと、前日(1362億香港ドル)とほぼ同水準だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで28億300万香港ドルの売り越しだった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比158ドル71セント(0.4%)安の35,921ドル23セントで終えた。前日に長期金利上昇を背景に売られたハイテク株には見直し買いが入り、相場を下支えした。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比81.576pt(0.5%)高の15,704.281ptで終えた。
12日の香港株式市場でハンセン指数は確りの展開か。米中関係の改善への期待や前日の米株式市場でのハイテク株が上昇したことが好感され、買いが入りやすい動きとなりそうだ。アリババ集団(09988)や京東集団(09618)の「双11(ダブルイレブン)」バーゲン期間中の取扱高(GMV)記録が更新されており、EC関連株にも注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 林)
続伸か
11日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比40.3242pt(1.15%)高の3,532.7858ptだった。小幅安で寄り付いたもののすぐに切り返し、その後は上げ幅を広げた。不動産業界の信用不安が和らぎ、幅広い銘柄に買いが入った。中国の不動産会社について負債比率の規制緩和や資金調達の環境整備などの方針が相次いで伝わった。個人向け住宅融資の好調や、香港上場の中国恒大集団(03333)による米ドル建て社債の利払い実施の報道もあり、業界への過度の悲観が後退した。前日発表の中国の10月末時点の現預金総額(M2)の前年比増加率が7カ月ぶり大きさで、人民元建て銀行融資残高とともに市場予想を上回ったことも相場を支えた。銀行や保険が高い。不動産や電機、鉄鋼株も買われた。酒造や自動車、バッテリー関連も堅調だった。反面、電力や非鉄金属株が安い。医薬や石油、軍事関連株も軟調だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで86億1000万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、歌爾(ゴーテック、002241)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宝山鋼鉄(バオシャン・アイロン&スチール、600019)などが売り越しとなった。
12日の中国本土市場は続伸か。当局が不動産会社の融資規制に対して緩和姿勢を示し、不動産業界への懸念が一服したもよう。関連銘柄の割安感から押し目買いが入ろう。また、米中首脳は11月15日にオンライン会談を行う見通しも報じられ、米中関係改善期待も支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 林)