3日の香港株式市場でハンセン指数は7日続落した。終値は前日比0.30%安の25,024.75ptと10月12日以来ほぼ3週ぶりの安値を更新した。前日のNY市場で主要3指数が連日で最高値を更新する中、中国ネット・IT株が軒並み安となったことや、本土市場で上海総合指数が3,500ptを割り込んだことが重荷となった。メインボードの売買代金は概算で1198億4000万香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億6700万香港ドルの売り越しだった。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比104ドル95セント(0.3%)高の36,157ドル58セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通りにテーパリング(量的緩和の縮小)開始を決めた。もっとも、利上げには慎重な姿勢を維持したことで米株に買い安心感が広がった。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は8日続伸し、前日比161.981pt(1.0%)高の15,811.584ptと連日で過去最高値を付けた。多くの機関投資家が運用の参考指標に据えるS&P500種株価指数も5日続伸し、前日比29.92pt(0.6%)高の4,660.57ptと連日で過去最高値を更新した。
本日の香港株式市場は自律反発狙いの買いが入り、持ち直す展開か。ハンセン指数は前日に約3週間ぶりの安値を更新しただけに、短期的な自律反発が期待されよう。ただ、中国国内でコロナ感染者数が急速に増えていることが懸念材料となり、上値を抑える可能性もあろう。
(マーケット支援部 床井)
軟調な展開か
3日の中国上海株式市場は3日続落した。終値は前日比0.20%安の3,498.54ptと約2カ月ぶりの安値水準となった。新型コロナウイルスの新規感染者が3カ月ぶりの単日100人超えとなり、感染再拡大が不安視される流れとなった。太陽電池メーカー大手の隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)は、米税関が同社製品を差し押さえたと伝わり、嫌気した売りが膨らんだ。上海、深セン両市場の売買代金は概算で1兆2億1700万元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで7億3100万元の買い越しだった。個別では、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、京東方科技集団(BOEテクノロジー・グループ、000725)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は軟調な展開か。中国本土の新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向になり、景気回復の鈍化が警戒されよう。ただ、指数は約2カ月ぶりの安値水準にあり、下値は限定的となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)