1日の香港株式市場は5日続落した。ハンセン指数の終値は前週末比222.92pt(0.87%)安の25,154.32ptだった。中国の景気減速への警戒感が強く意識され、朝方から幅広い銘柄にリスク回避の売りが先行した。中国当局によるネット医療産業への規制懸念も再燃した。10月31日に国家統計局が発表した10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から悪化したのも相場の重荷となった。半面、1日の取引開始後に財新などが発表した製造業PMIは改善。指数は次第に下げ幅を縮小した。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は続落し、同1.51%安だった。香港メーンボードの売買代金は概算で1350億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億4100万香港ドルの売り越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比94ドル28セント(0.3%)高の35,913ドル84セントで終えた。ダウ平均を含む主要3株価指数は連日で過去最高値を更新した。前週までに市場予想を上回る米企業決算の発表が相次いだ。米景気や企業業績に対する楽観が広がり、株買いを支えた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、前週末比97.526(0.6%)pt高の15,595.915 ptと連日で過去最高値を更新した。
2日の香港株式市場でハンセン指数はもみ合いか。前日の米株式市場が上昇したことが好感され、買いが先行しやすい動きとなりそうだ。一方で、オンラインヘルスケア産業への規制強化懸念や中国本土での新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、リスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが上値を抑えそうだ。
(マーケット支援部 林)
方向感に乏しい展開か
1日の中国・上海株式市場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前週末比2.8566pt(0.08%)安の3,544.4795ptだった。1日までに発表された10月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は政府版が前月から悪化した一方、民間版は改善した。先行きの中国の景況感を巡って好悪両面の材料が出たため、指数も前週末の終値を挟んで一進一退の展開が続いた。酒造や自動車、医療サービス関連株が安い。空運や海運、石油関連株が下落した。決算発表の内容が嫌気された免税店運営の中国旅遊集団中免(601888)は制限値幅の下限(ストップ安水準)で終えた。半面、家電株が高い。銀行や半導体関連株が堅調だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで7億1100万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、歌爾(ゴーテック、002241)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
2日の中国本土市場は方向感に乏しい展開か。中国各地でのコロナ感染拡大による経済回復ペースの鈍化などが懸念され、市場全体の重荷になっているようだ。目新しい材料が見当たらない中、方向感に乏しい展開になりそうだ。
(マーケット支援部 林)