25日の香港株式市場は小幅に反落した。ハンセン指数の終値は前日比33.97pt(0.13%)安の25,693.95ptだった。前日の米国市場で主要な株価指数が軒並み上昇し、中国ネット大手の米預託証券(ADR)も上げが目立った。その流れが香港市場にも波及し、朝方は買いが先行した。ただ、中国当局の規制強化への懸念は根強く、企業決算の内容を見極めたいとの様子見姿勢も強かった。ネット大手株が買い一巡後に急速に伸び悩んだことが重荷となり、ハンセン指数は下げに転じた。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は小幅に3日続伸し、同0.19%高で終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで7億1300万香港ドルの売り越しだった。
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比39ドル24セント(0.1%)高の35,405ドル50セントで終えた。過去最高値が近づき、高値警戒感から朝方は短期的な利益確定売りが先行した。だが、新型コロナウイルスのワクチンの普及や、米政権の大型の財政支出による景気拡大を期待した買いが次第に優勢になった。ただ、ダウ平均の上値は重かった。27日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されている。講演内容を見極めたい投資家が多く、上値を追う動きは限られた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続伸した。同22.059pt(0.1%)高の15,041.859ptで終え、連日で史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は同9.96pt(0.2%)高の4,496.19ptで終え、史上最高値を更新した。
本日の香港株式市場は上値の重い展開か。経済正常化への期待で前日の米株式市場が上昇したことを受け、買いが広がりそうだ。ただ、27日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を前に積極的な売買を見込みにくく、上値の重い展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
積極的な買いは期待しにくいか
25日の中国・上海株式市場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前日比25.9127pt(0.73%)高の3,540.3837ptと、7月23日以来約1カ月ぶりの高値を回復した。前日の米国市場での原油や金の先物相場の上昇を手がかりに時価総額の大きな資源・素材株が軒並み買われた。海外資金の流入期待も続き、指数は午後に上げ幅を拡大。この日の高値圏で引けた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆3144億元と前日(1兆4083億元)からやや減ったが、売買代金の1兆元超えは26日連続となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで34億1800万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが買われ、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は小幅に続伸か。27日に国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)を控えていることや、中国政府による規制強化の懸念を払拭できないだけに、積極的な買いは期待しくにいだろう。個別銘柄は、企業の決算発表に株価が左右されよう。
(マーケット支援部 床井)