24日の香港株式市場は続伸。ハンセン指数の終値は前日比65.39pt(0.22%)高の28,882.46ptと約3週ぶりの高値だった。前日に米ハイテク株の一角が上昇した流れを引き継ぎ、香港市場でも朝方から買いが入ったが、指数が節目の29,000ptに迫ると戻り待ちの売りに押され伸び悩んだ。中国の太陽電池部材メーカーへの輸出規制で米中関係が悪化するとの懸念も相場の上値を抑えた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は前日比0.24%高。香港メーンボードの売買代金は1339億香港ドルと、前日から1割超減少した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億5200万香港ドルの買い越しだった。
24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比322ドル58セント(1.0%)高の34,196ドル82セントで取引を終えた。バイデン大統領が上院の超党派議員グループとインフラ投資法案で合意したと表明し、インフラ支出拡大への期待が強まった。22日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言以降、米利上げ前倒しへの懸念が薄れたことも買い安心感につながった。機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比24.65pt(0.6%)高の4,266.49ptで終え、過去最高値を更新。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比97.976pt(0.7%)高の14,369.709ptと連日で最高値を更新した。
25日の香港株式市場でハンセン指数は続伸か。24日の米株式市場で主要3指数が上昇した流れを、香港市場も引き継ぎそうだ。もっとも、週末とあって持ち高を一方向に傾ける動きは限定か。ハンセン指数は29,000pt台を回復できるか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
新エネやEV、新型インフラなどの政策関連銘柄を物色する動きが強まろう
24日の中国・上海株式相場は小幅に4日続伸した。上海総合指数の終値は前日比0.4340pt(0.01%)高の3,566.6539ptだった。大型株を中心に買いが入った一方で、前日に上げの目立った新興ハイテク株には売りが出た。当局の政策などを材料に個別株を物色する動きは活発だったが、上海総合指数は前日の終値を挟んで一進一退の展開が続いた。銀行などの金融株や酒造など、大型株が堅調。政策期待から太陽光パネルなどの環境関連株が買われ、物流や石炭株が上昇した。半面、医薬株が安く、ソフトウエア株が売られ、観光関連や軍需関連株が下落した。深セン株式市場の総合指数は前日比0.49%安、新興企業が主体の創業板指数は同1.19%安となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆129億元と、前日から約6%減ったが、5日連続で節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで30億9700万元の買い越し。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)などが売り越しとなった。
25日の中国本土市場は個別銘柄物色中心の展開か。イタリアで29日に開く20カ国・地域(G20)外相会合にあわせた米中外相会談は計画されていないと伝わったことを受け、戻り待ちの売りが優勢となろう。一方で、7月1日の中国共産党創立100周年を前に、新エネやEV、新型インフラなどの政策関連銘柄を物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)