3日の香港株式相場は続落。ハンセン指数の終値は前日比331.59pt(1.13%)安の28,966.03ptと、およそ1週ぶりの安値を付けた。小高く始まったが、程なく下げに転じた。このところ堅調だった中国ネット大手の一角に持ち高調整の売りが増え、午後に指数は下げ幅を拡大した。ネット関連株が安かったほか、金融株も売られた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は前日比0.9%安だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで4億3900万香港ドルの買い越しだった。
3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に6営業日ぶりに反落し、前日比23ドル34セント(0.1%)安の34,577ドル04セントで終えた。市場予想を上回る米経済指標が相次ぎ、長期金利が上昇。これを受けて金融株が買われた半面、高PER(株価収益率)のハイテク株が売られて相場の重荷となった。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は反落し、前日比141.820pt(1.0%)安の13,614.507ptで終えた。
4日の香港市場でハンセン指数は安寄り後一進一退の展開か。5月の米雇用統計の発表を日本時間夜に控え、積極的に動きづらい一日となりそうだ。利益確定売りをこなしつつ、短期的な金利動向に左右されづらい銘柄物色中心の展開となろう。昨日は、華為技術(ファーウェイ)が、自社開発のオペレーティングシステム「ハーモニー(鴻蒙)OS2」を正式リリースしたことなどが刺激となり、第5世代(5G)ネットワーク関連銘柄に高いものが目立った。米バイデン政権による中国の防衛・ハイテク企業59社への投資禁止令発令が伝わっており、米中対立への懸念は続くと思われるものの、市場には国産化の進展を評価する流れも出ているようだ。「国産」をキーワードに銘柄を選別物色する動きが強まる可能性も想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)
上値の重い展開か
3日の中国・上海株式相場は小幅に続落。上海総合指数の終値は前日比12.9258pt(0.35%)安の3,584.2121ptと、5月25日以来の安値を付けた。朝方は資源株高や深セン株の上昇を手がかりに買いが入ったものの、中国国内の新規の買い材料に乏しいなか、戻り待ちの売りが次第に優勢となった。朝方発表の中国の5月の財新非製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月から低下したことも、投資家心理の重荷となった。銀行株が総じて売られたほか、原油高が燃料コストの拡大懸念につながり、空運株や製紙株もさえなかった。半面、石油株は堅調だった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9557億元と、5営業日ぶりに1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで15億2100万元の買い越し。個別では、珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンシズ・オブ・ヂューハイ、000651)、興業銀行(インダストリアル・バンク、601166)などが買い越しとなり、美的集団(ミデア・グループ、000333)、江蘇恒瑞医薬(ジャンスー・ハンルイ・メディシン、600276)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)などが売り越しとなった。
4日の中国本土市場は上値の重い展開か。米中対立への懸念が投資家心理の重荷となろう。一方で、香港市場同様に「国産」をキーワードに銘柄を選別物色する動きが強まる可能性も想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)