14日の香港市場は利益確定売り先行の展開か。
13日の米株式相場は5営業日ぶりに反落。ダウ工業株30種平均は前日比157ドル71セント(0.5%)安の28,679ドル81セントで取引を終えた。新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の臨床試験(治験)の中断が相次ぎ、投資家心理を冷やしたほか、追加経済対策の与野党協議の停滞も投資家の慎重姿勢を招いた。ナスダック総合株価指数は前日比12.36pt(0.1%)安の11,863.90ptで取引を終了。アップル以外の主力ハイテク株は底堅く、前日終値を上回って推移する時間帯が長かったが、アップルが下げ幅を広げると上値が重くなり、引けにかけて下げに転じた。
香港市場もこの流れを受け、売り先行のスタートとなりそうだ。米国市場ではアップル(AAPL)が材料出尽くしの売りに押される展開となっており、香港市場の関連銘柄も同様な動きが想定されよう。中国アリババグループ傘下の金融会社アント・グループが計画している新規株式公開(IPO)について、中国証券監督管理委員会(CSRC)が利益相反の可能性を調査しているため承認が遅れていると伝わった。この調査でアントのIPOが頓挫する公算は乏しいものの、結果を見極めたいといったムードが広がる可能性はあろう。11月の米大統領選や追加の米経済対策などを巡る先行き不透明感から積極的な取引を控える投資家も増えるなか、ハンセン指数は25,000ptを前に足踏みとなる公算が高そうだ。
(マーケット支援部 井上)
利益確定売りをこなしながらの底堅い展開を想定
13日の中国本土株式市場は小幅続伸。上海総合指数の終値は前日比1.2847pt(0.03%)高の3359.7499ptと、9月3日以来約1カ月半ぶりの高値を付けた。習近平国家主席が広東省を視察したことで、景気刺激策や産業支援策を期待する買いが優勢となった。午前の取引時間中に発表の9月の貿易統計が予想を上回ったことも支援材料になった。指数は軟調な場面が多かったが、深セン株の上昇も投資家心理を上向かせ、大引けにかけて上げに転じた。深セン成分指数の終値は同90.512pt(0.66%)高の13,798.578ptと、上昇率は上海総合指数よりも大きかった。
14日の中国本土市場は底堅い展開か。貿易統計や新車販売台数、国際通貨基金(IMF)の経済見通しなど中国経済の回復基調を示すデータの発表が相次いでおり、景気回復期待が支えとなろう。また習主席の広東視察に加え、中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)の開催を今月下旬に控えていることも政策期待として下支えになると思われる。利益確定売りをこなしながら底堅い展開を想定する。
(マーケット支援部 井上)