12日の香港株式相場は大幅に3営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前週末に比べ530.55pt(2.19%)高の24,649.68ptと、9月16日以来およそ1カ月ぶりの高値だった。習近平国家主席が今週、香港に隣接する深センの経済特区40周年の記念式典に出席すると伝わった。域内経済活性化に向けた政策期待に加え、13日発表の9月の中国貿易統計でドル建て輸出が4カ月連続で増加するとの見方が根強く、午後にかけて上げ幅を拡大した。「ハンセンテック指数」は大幅に反発し前週末比3.3%高だった。政策期待から深セン関連株の上げが目立ち、物流の深セン国際控股(00152)は同6.2%高で終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで74億5900万香港ドルの買い越しだった。
12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比250ドル62セント(0.9%)高の28,837ドル52セントで終えた。9月2日以来の高水準。政策期待などで中国・上海株式相場が大幅に上昇し、米国株への買いにつながった。今週から本格化する米企業の決算内容が市場予想以上になるとの思惑から主力ハイテク株や金融株への買いが目立った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4日続伸した。前週末比296.32pt(2.6%)高の11,876.26ptで終えた。
本日の香港株式市場は、香港と広東省、マカオを一体開発する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」構想などを巡る政策支援に対する期待が高まったことや前日の米国株式市場が上昇した流れを引き継ぎ、買い先行となりそうだ。ただ、米追加経済対策の動向や本格化する企業決算発表を前に、様子見の投資家も少なくないか。買い一巡後は、上げ幅を縮小していく可能性があろう。
(マーケット支援部 床井)
政策期待で引き続き個別物色中心の動きか
12日の中国・上海株式相場は大幅に続伸した。上海総合指数の終値は前週末比86.3890pt(2.64%)高の3358.4652ptと、9月3日以来約5週ぶりの高値となった。香港市場との株式相互取引を通じた海外勢による中国株売買が連日で大幅な買い越しとなり、海外資金の流入期待が高まった。中国の習近平国家主席が14日に広東省深セン市の経済特区成立40年記念式典に出席すると伝わり、地域振興策など政策発表を期待した深セン株の大幅な上昇も投資家心理を明るくした。 深セン市場では、深セン総合指数が
同3.31%高の2289.357pt、ベンチャー企業向け市場「創業板」指数は同3.90%高の2777.388ptだった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで135億1100万元の買い越しとなった。個別では、五糧液(000858)、格力電器(000651)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、興業銀行(601166)などが買い越しとなり、立訊精密工業(002475)、京東方科技集団(000725)、三一重工(600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、前日の好地合いを引き継ぎ株価が崩れることはなかろう。政府による新たな経済対策に対する期待から関連銘柄を物色する動きになることを予想する。日程面では、9月の中国貿易統計や国際通貨基金(IMF)による世界経済見通しの発表が予定されている。
(マーケット支援部 床井)