24日の香港株式市場は反落。ハンセン指数の終値は前日比431.44pt安の23,311.07ptと、5月29日以来約4カ月ぶりの安値となった。米ハイテク株売りが続くとの警戒感が重荷となったほか、米国の追加経済対策が決まらないなか、欧州で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、世界経済の回復が遅れるとの懸念から金融などの景気敏感株にも売りが目立った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで1億3300万香港ドルの売り越しだった。
24日の米株式市場は小幅反発。ダウ工業株30種平均は前日比52ドル31セント高の26,815ドル44セントで取引を終えた。取引開始直後は売りが先行し、ダウ平均の下げ幅は一時200ドルを超えたものの、主力ハイテク株が買われ、相場を支えた。証券会社が投資判断を「買い」に引き上げた金融のゴールドマン・サックスが約5%上昇し、1銘柄でダウ平均を60ドル程度押し上げた。ダウ平均の上げ幅は午後に300ドルを超える場面があった。
本日の香港市場は反発を想定も方向感のつかみづらい展開か。米国市場が小反発した流れを受け、香港市場も買い先行のスタートが予想される。ハンセン指数は約4カ月ぶりの安値水準にあり、自律反発狙いの買いも支えとなりそうだ。もっとも、昨日の米国市場は欧州でのコロナの感染再拡大に加え、11月の米大統領選が近づくなか政治の不透明感が改めて意識され不安定な値動きとなっており、時間外の先物市場の動向によっては値動きが荒くなる場面も想定しておきたい。また昨日は、中国の不動産開発会社、中国恒大集団(03333)の社債が急落し、株価も4カ月ぶりの安値をつけた。同社については、計画中の中国本土市場への上場が来年1月までに承認されない場合、流動性危機に陥るといった懸念が強まっていると伝わっている。中国不動産会社のデフォルトの話題が投資家心理へ及ぼす影響は大きいと思われることから、その動向にも注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
もみ合いか。海外投資家の売買動向に注目が集まろう
24日の中国本土株式市場は大幅反落。上海総合指数の終値は前日比56.5341pt安の3,223.1764pt、深セン成分指数の終値は同293.466pt安の12,816.606ptだった。上海総合指数は7月27日以来2カ月ぶりの安値をつけた。23日の大幅な米株安への警戒が、上海市場にも波及した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで121億6900万元の売り越しとなり、中国本土の投資家心理を冷やした。個別では、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、格力電器(000651)、京東方科技(000725)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)、長江電力(600900)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はもみ合いか。昨日のストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで121億6900万元の売り越しとなったが、100億元以上の売り越しは約2カ月ぶり(前回は7月24日の163億元)となる。現地投資家の売買は海外投資家の動向に左右されやすいとの指摘もあることから、本日もその動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)