22日の香港市場でハンセン指数は続落。終値は前日比233.84pt安の23716.85ptだった。ハンセン指数は前日の欧米株安を嫌気する売りに押され、安く始まった後、英国で新型コロナウイルスの感染再拡大によるロックダウンの可能性が高まったことなどが地合いを悪化させ、ほぼ全面安の展開。終値は5月29日以来約4カ月ぶりの安値圏だった。過去に詐欺集団の資金移転に関わったと報じられたほか、中国の制裁対象に今後なり得るとの現地メディアの報道も重なったHSBC(00005)が大幅に続落し、相場の重荷となった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで6億100万香港ドルの売り越しだった。
22日の米国株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比140ドル48セント高の27,288ドル18セントで取引を終えた。欧州でのコロナ感染の再拡大が相場の重荷だったが、業績がコロナ禍の影響を受けにくいハイテク株が買われ相場を押し上げた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発し、前日比184.84pt高の10,963.64で取引を終えた。
本日の香港市場でハンセン指数は反発も上値の重い展開か。米国市場が反発した流れを受け、自律反発狙いの買いが優勢となろう。ハンセン指数は24,000pt台回復を目指す動きとなりそうだ。欧州では新型コロナの新規感染者数の増加が続いており、外出制限などの行動規制が各地で再導入されつつあると伝わっている。今後の感染者数の推移次第では、再度ロックダウン(都市封鎖)がなされるのではないかとの市場の警戒感は強くなっているようだ。また、香港でも「集会禁止令」や「夜間外食禁止令」など新型コロナウイルス対策としてのソーシャルディスタンス政策について、現行の内容のままで1週間延長(国慶節・中秋節に当たる10月1日まで)すると発表されている。経済活動の停滞懸念が上値抑制要因として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
戻りを試す展開か。海外投資家の売買動向に注目が集まりそう
22日の中国本土株式市場で、主要株価指数は大幅続落。上海総合指数の終値は前日比42.6336pt安の3274.3015pt、深セン成分指数の終値は126.07pt安の13,023.431ptだった。上海総合指数は総じてマイナス圏での推移となった。心理的節目の3,300ptを下回って寄り付いた後に下げ幅を縮め、前引け前はプラス圏へ浮上する場面もあったが、後場に入ると失速し、再び3,300ptを割り込み、後場終盤にかけて下げ足を速めた。米中対立の激化に対する根強い懸念に加え、新型コロナウイルスの感染再拡大などを警戒して週明けの欧米市場が軒並み急落したことが重荷となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで20億200万元の売り越し。個別では、ラックスシェア(002475)、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国中免(601888)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、長春高新(000661)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は戻りを試す展開か。欧米市場が反発しており、中国本土市場でも買い優勢の展開が想定される。ストックコネクトを通じた海外投資家の売買動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)