17日の香港株式市場は3営業日ぶりに反発。ハンセン指数の終値は前週末比164.33pt高の25,347.34ptと、約1カ月ぶりの高値となった。中国・上海株の大幅高を受けて中国の金融株が上昇し、相場を支えた。ハンセン指数に占める中国のニューエコノミー銘柄のウエート拡大も資金流入期待につながった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで26億4600万香港ドルの買い越しだった。
17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小反落し、前週末比86ドル11セント安の27,844ドル91セントで取引を終えた。追加経済対策を巡る米与野党協議の停滞する中、景気敏感株には買い見送りムードが強まったほか、米中関係への懸念も相場の重荷だった。一方で、業績が景気の影響を受けにくいハイテク株は底堅く推移した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発し、前週末比110.42pt高の11,129.72ptで終え、過去最高値を更新した。
18日の香港市場でハンセン指数は一進一退の展開か。米中対立懸念がくすぶっており積極的に上値を追う動きは限定的と思われるものの、下値は政策期待が支えよう。決算発表銘柄を中心に個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。17日に米商務省が中国の華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置を強化すると発表した。今回の措置は、ファーウェイが「制裁回避策」として講じたとされる第三者を経由した調達・供給網の「抜け穴」をより厳しく封じる狙いがあり、取引先の他の企業にも影響が及ぶ可能性が伝わっている。関連銘柄の警戒材料として意識されそうだ。昨日、中国人民銀行は、中期貸出制度(MLF)などで金融市場に事前予想を上回る7000億人民元の資金供給を実施した。結果、昨日の中国本土市場は米中対立を嫌気する売りを吸収する格好で上昇しており、中国本土市場が堅調展開となれば、香港市場も底堅い動きが期待できそうだ。また、京東集団(09618)が発表した20年4-6月期決算では売上高の予想以上の伸びが確認された。同社の米預託証券(ADR)は米ナスダック市場で大幅高となっており、香港市場でもその流れが続くか注目されそうだ。本日は、金蝶国際ソフト(00268)、中国電信(00728)、金山軟件(キングソフト、03888)などが決算発表を予定している。
(マーケット支援部 井上)
確りの展開か。個人投資家の買いに期待
17日の中国本土株式市場は3営業日続伸。上海総合指数の終値は前週末比78.7022pt高の3,438.8010pt、深セン成分指数の終値は同253.216pt高の13,742.225ptだった。上海総合指数は節目の3,400ptを上回り、7月13日以来およそ1カ月ぶりの高値だった。前週末に中国の証券会社から相場の先行きに強気な見方を示すリポートが相次いだことに加え、17日には中国人民銀行がMLFなどで金融市場に潤沢な資金供給を実施したことも、投資家の運用リスク選好姿勢につながった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで57億1300万元の買い越し。個別では、格力電器(000651)、分衆伝媒(002027)、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)、中国中免(601888)、興業銀行(601166)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は確りの展開か。米中対立の激化懸念はあるものの、国内個人投資家の買いが支えとなりそうだ。足もと現地では、地場系証券各社から強気の見方が出ているもよう。「流動性はまだ細っていない」「調整局面は終了」などの積極的な見方が多く、これがネット上でも大きく取り上げられているようだ。経済統計の若干の足踏みや米中協議の延期を受け、やや懸念ムードが高まったところで発せられた、前向きメッセージとも捉えられ、個人投資家心理の支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)