29日の香港株式相場は続伸。ハンセン指数の終値は前日に比べ110.38ポイント(0.44%)高の2万4883.14と、23日以来1週間ぶりの高値だった。29日は上海総合指数が2%上げるなど、中国本土の株式相場が国内外からの資金流入期待から上げており、香港市場にも買いが波及した。香港上場のハイテク関連30銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は続伸し、1.03%高だった。
一方、香港では新型コロナウイルスの感染が再拡大している。29日からは飲食店内での飲食が終日禁止されるなど規制が強化されており、域内経済停滞への警戒が相場の上値を抑えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで36億6200万HKドルの買い越し。
29日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発。前日比160ドル29セント(0.6%)高の2万6539ドル57セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利政策と国債など資産購入の維持を決めた。会合後の声明や記者会見を受けて金融緩和が長期化するとの見方が強まり、株式の買い安心感につながった。
30日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ、買い優勢で始まるか。香港市場では、中国の経済政策に対する関心が高まっている。中国共産党の中央政治局が開催する月例会議で、例年通りであれば7月は経済動向や下期の政策が確認される。間もなく開催される同会議を前に経済対策への期待が高まりやすくなりそうだ。
(マーケット支援部 松川)
買いが先行する流れと想定。景気テコ入れ策への期待が高まる。
29日の中国・上海株式相場は大幅に3日続伸。上海総合指数の終値は前日比66.5917ポイント(2.06%)高の3294.5521pt、深セン成分指数の終値は同410.088pt高の13,557.441ptだった。足元の株価調整で値ごろ感が出ているほか、国内外から資金流入が続くとの期待が根強く、大型株を中心に買いが広がった。
売買代金は上海と深センで合計1兆466億元と、高水準となっている。
香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで77億3100万元の買い越し。個別銘柄では、格力電器(000651)、寧徳時代(300750)、中国平安(601318)などが買い越しとなり、ラックスシェア(002475)、ハイクビジョン(002415)、貴州茅台酒(600519)、宜賓五糧液(000858)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は買いが先行する流れと想定。米低金利政策の長期化観測が支援材料。また、昨日引け後に公表された香港の4~6月GDP成長率が9%減となり、4四半期連続で縮小したことはマイナス材料となるものの、逆に景気テコ入れ策が打ち出されるとの思惑が広がる可能性もありそうだ。
(マーケット支援部 松川)