休場明け26日の香港株式相場は続落。ハンセン指数の終値は前営業日の24日と比べて231.59pt安の24,549.99ptだった。24~25日にかけて米国での新型コロナウイルスの感染再拡大を背景に米ダウ工業株30種平均が400ドル超下落し、香港株にも売りが波及した。中国の「香港国家安全維持法案」を巡り、米上院が中国に対する制裁の対象を広げる「香港自治法案」を可決するなど、米中対立激化への警戒も相場の重荷となった。米国防総省は24日、中国政府や人民解放軍と関係がある中国企業20社のリストを公表。親会社が対象に含まれた通信の中国移動は2.9%安で取引を終えた。
26日の米株式相場は大幅に反落した。ダウ工業株30種平均は前日比730ドル05セント安の25,015ドル55セントと約1カ月ぶりの安値で取引を終えた。米国で新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となるなか、テキサス州などが感染拡大の防止を目的に一部経済活動の規制を再び強化。米経済の正常化が遅れるとの懸念から、ハイテクや銀行など景気敏感株を中心に売りが膨らんだ。
本日の香港市場は軟調な展開か。米国市場が大幅に反落した流れを受け、売り先行のスタートが予想される。トランプ米政権は26日、香港問題に関わる一部の中国共産党員へのビザ(査証)発給の規制を発動すると発表した。5月末にトランプ大統領が香港問題を受けて発表した一連の対中制裁のなかで、今回が初めての制裁発動。「香港国家安全維持法」の成立阻止へ圧力を強めた形だが、中国では昨日から始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会において同法案の審議が再開されたと伝わっており、米中対立への懸念は高まりやすい状況と言えよう。世界的な新型コロナの感染拡大も伝わっており、上値の重い展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
方向感に乏しい展開か
休み明けの中国本土市場は方向感に乏しい展開か。香港市場と同様に米中対立への懸念が上値抑制要因となろう。一方で、企業収益の改善期待は下支え要因か。28日に中国国家統計局が発表した5月中国工業企業利益は前年同月比6.0%増と、前月の同4.3%減から回復し、昨年11月以来の増加となった。
好悪材料ある中、方向感に乏しい展開となりそうだ。
(マーケット支援部 井上)