25日の香港株式相場は小幅に反発した。ハンセン指数の終値は前週末比22.10pt(0.09%)高の22952.24ptだった。香港社会の統制を強める「香港国家安全法」を巡って24日、数千人規模の抗議デモが発生した。香港地場の銘柄に域内情勢の不安定化を懸念した売りが出たが、指数は前週末に5.5%安と大幅下落した反動で中国本土系の銘柄などに徐々に買いが入り、小幅高で取引を終えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで27億2200万香港ドルの買い越しだった。
25日の米市場はメモリアルデーの祝日で休場。同日の欧州株式市場ではドイツ株式指数(DAX)やフランスのCAC40が2%を超える上昇となった。世界的な経済活動再開への期待から買いが膨らんだほか、5月独Ifo企業景況感指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となった。
本日の香港市場はこじっかりの展開か。欧州株高を好感し堅調なスタートが予想される。一方で、香港上場企業の業績下方修正の動きが伝わっており、上値は限定的と思われる。昨日は、米中対立の激化により米上場の中国企業による香港上場が続くとの期待から、香港取引所が6%上昇した。強弱材料が入り交じる中、足もとの環境変化への対応が期待される銘柄を選別する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
堅調な展開か。景気浮揚策への期待は継続しよう
25日の中国本土株式相場は小幅ながら4営業日ぶりに反発。上海総合指数の終値は前週末比4.2043pt(0.14%)高の2817.9697pt、深セン成分指数の終値は同12.121pt(0.11%)安の10592.844ptだった。 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の会期中で、景気対策の発表を期待した買いがやや優勢だった。ただ、香港問題をめぐる中国と欧米との対立懸念が重荷になったほか、人民元相場の対米ドルでの下落が中国からの資金流出懸念を浮上させ、指数は小幅なレンジでの一進一退が続いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は成約ベースで21億4600万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、三一重工(600031)、伊利実業集団(600887)、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、
ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、美的集団(000333)、などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は堅調展開を想定。全人代が開催中であることから景気浮揚策への期待は継続すると思われ、内需関連株中心に堅調な動きが期待できそうだ。
(マーケット支援部 井上)