14日の香港株式相場は3日続落。ハンセン指数の終値は前日に比べ350.56pt(1.44%)安の23829.74ptだった。節目の24000ptを割り込み、4日以来の安値だった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が13日の講演で、新型コロナウイルスの影響を受けている米経済の先行きについて厳しい見方を示した。
世界経済停滞への警戒が改めて強まり、香港市場でも幅広い銘柄に売りが出た。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで40億7700万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比377ドル37セント(1.6%)高の23625ドル34セントで取引を終えた。ダウ平均は前日までの3日間で1083ドル(4.5%)下落しており、自律反発を狙った短期筋の買いが優勢だった。欧米などでの経済活動の再開期待から原油先物相場が急反発し、1カ月ぶりの高値を付けたことで同じリスク資産である株式にも買いが入った。
本日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。米原油先物相場の急反発等を背景に、米ダウ工業株30種平均が上昇しており、ハンセン指数は24000pt台回復の動きが期待できそうだ。もっとも米中対立が先鋭化することへの警戒は根強いことから、上値追いの動きは限定か。本日は、日本時間午前11時に中国の4月鉱工業生産など主要経済指標が発表される予定。市場予想は、鉱工業生産が前年同期比1.5%増(前月は同1.1%減)、小売売上高は同6.0%減(前月は同15.8%減)、固定資産投資(20年1-4月)は同10.0%減(20年1-3月は同16.1%減)と、前月から改善が見込まれている。
(マーケット支援部 井上)
売り買い交錯の展開を想定
14日の中国株式相場は反落。上海総合指数の終値は前日比27.7073pt(0.95%)安の2870.3422pt、深セン成分指数の終値は同112.445pt(1.01%)安の10962.147ptだった。前日の米国株の下落や新型コロナウイルスの感染第2波への警戒から、幅広い銘柄に売りが出た。中国では吉林省で新たな感染者が増えており、列車の運行停止などの措置がとられた。15日に4月の主要な経済指標の発表を控えて様子見ムードも広がった。また、米公務員の退職年金運用機関が13日に、中国企業の株式を組み入れる株価指数で資金を運用する計画を中止すると決定したことも相場の重荷となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで13億2500万元の売り越しだった。個別では、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)、新希望六和(000876)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)、中国国旅(601888)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は売り買い交錯の展開を想定。米中対立先鋭化への警戒感が上値抑制要因として意識されそうだ。一方で、本日発表予定の主要経済指標は各指標とも前月からの改善が見込まれている。中国経済が正常化に向かっているとの認識が強まれば強含みとなる可能性も想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)