18日の香港市場でハンセン指数は3日ぶりに反落し、終値は1.53%安の27530.20ptだった。17日に、米アップルが中国での新型肺炎拡大のため1-3月期の売上高見通しを達成できないと発表し、企業業績悪化への警戒が再び強まった。ファーウェイへの海外企業の半導体輸出を制限する措置を米政府が検討していると伝わったことも、投資家心理の重荷となった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで25億7700万香港ドルの買い越しだった。
18日の米国市場でダウ平均は3日続落し、165ドル89セント(0.6%)安の29232ドル19セントで終えた。アップルの発表を嫌気し、半導体関連株や中国売上高が大きい銘柄にも売りが波及した。
本日の香港市場は、新型肺炎への対策として中国政府が打ち出す景気下支え策に期待する買いが支えとなるものの、指数が心理的節目の28000ptを超える水準では利益をいったん確定する売りが出ると予想する。
(マーケット支援部 飯田)
個別銘柄物色の展開か
18日の中国市場で上海総合指数は3日続伸し、0.04%高の2984.9716ptとなった。1/22以来約1カ月ぶりの高値を連日で付けた。新型肺炎の感染が収束に向かうとの期待や政府の景気対策の強化が支えとなった。一方で、目先の利益を確定しようとする売りに押される場面も多かった。深セン成分指数は0.58%高の11306.49ptと3日続伸となり、「創業板」指数も3日続伸、16年12月以来、約3年2カ月ぶりの高値を回復した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで53億9100万元の売り越しだった。個別では、上海機場(600009)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、用友網絡(600588)、ラックスシェア(002475)、珠海格力電器(000651)、宜賓五糧液(00858)などが売り越しとなった。
中国メディアでは「感染者の増加ペースが鈍化している」など状況が好転しているとの報道が目立つ。だが、湖北省の死者数の増加幅は依然として100人を超え、収束の兆しは見えていないもよう。3/5開幕する予定だった全国人民代表大会(全人代)も延期の見通しで、新型肺炎の影響は拡大していると思われる。
本日の中国市場は、中国政府からの景気対策への期待が支えとなろう。新型肺炎問題で業績悪化懸念が台頭しており、物色は影響が軽微と思われる業種(医療関連)等が中心となろう。
(マーケット支援部 飯田)