香港市場
【1月回顧】月初から強い上昇トレンドを堅持
香港市場は、チャイナマネー流入の加速により、月初から強い上昇トレンドを堅持している。ハンセン指数は25日に30,000 ptの大台を突破し、ほぼ2年7カ月ぶりに高値を更新した。大手テック30銘柄で構成されるハンセンテック指数の上昇が際立つ。年初来、サウスバウンド(中国本土⇒香港)経由の買い越し額は2500億香港ドル(約3.3兆円)を超え、既に20年通年の約37%に達した(25日時点)。
個別銘柄では、チャイナマネーの間で人気の高い香港証券取引所(00388)、テンセント(00700)や美団(03690)などが25日に上場来高値を更新した。
【2月見通し】上昇トレンド継続を想定
2月の香港市場は上昇トレンド継続を想定する。引き続きチャイナマネーの流入基調が株式市場の支えとなろう。
決算発表シーズン入りを控え、徐々に業績相場へ移行すると見られる。業績のガイダンスや内容を手掛かりとした個別物色の動きは活発になりそうだ。2日にアリババ集団(09988)、3日に中国平安保険(02318)、26日に香港証券取引所が決算を発表する予定。
12日(金)~15日(月)は旧正月(春節)で休場となる。ハンセンインデックス社は26日に四半期ごとの指数構成銘柄の見直し結果を発表する予定。
(1/26記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【1月回顧】上昇継続、上海は5年1カ月ぶり高値
1月の中国市場で各指数は大幅高となった。上海総合指数は25日に約5年1カ月ぶり高値の3,637ptまで上昇。深セン成分指数も約5年7カ月ぶりの高値となる15,800pt台まで買い進まれた。中国の20年10~12月期GDPの成長率(前年同期比6.5%増)が市場予想(6.1%増)を上回ったことや、人民元高、米中対立の懸念緩和が後押し材料。1日当たり売買代金(上海+深セン)が1兆元超の大商いが続いた。
第三者割当増資を発表した科大訊飛(002230)や機関投資家からの人気が高い隆基緑能科技(601012)が下旬に上場来高値を更新した。
【2月見通し】底堅く推移か、巣ごもり関連に注目
深セン成分指数:14,500~16,500pt
2月の中国市場で各指数は底堅く推移しそう。新型コロナの感染状況が相場のポイントか。春節休暇(2/11~17)前後に外出・移動規制が強まれば下押し圧力がかかる場面もあるだろう。ただ、商いは活況で下値は限定的か。上海総合指数は節目の3,500ptを割り込むと買い戻しの動きが意識されそうだ。
「巣ごもり」関連で、クラウドに強みを持つ用友網絡科技(600588)やサイバーセキュリティ大手の啓明星辰信息技術集団(002439)などに注目したい。また、全人代(3/5開幕)前の政策期待から北京兆易創新科技(603986)など半導体関連も物色対象か。
(1/25記:上海駐在員事務所 山藤)