香港市場
【10月回顧】米中交渉進展を好感、反転相場に
10月の香港市場は前半は下落基調継続だったが、米中閣僚級通商協議での部分合意及び11月の米中首脳会談への期待などで、11日から上昇に転じ、ハンセン指数は28日に27,000ptを突破する場面も見られた。18日に発表された中国の7~9月期のGDP成長率が1992年の四半期統計開始以来最低となる6.0%にとどまり、景気減速に対する懸念が強まったが、株価の上昇トレンドは崩れなかった。
個別銘柄では、新規にストックコネクト取り扱い銘柄となった小米集団(01810)と美団点評(03690)が大幅上昇となった。
【11月見通し】米中首脳会談に注視、上昇継続か
11月の香港市場は上昇トレンド継続の可能性が高そうだ。10月29~30日に開かれた米FRBの連邦公開市場委員会では、3会合連続の利下げに踏み切った。また、米中貿易交渉が順調に進展している模様で、11月中旬にチリで開催予定のアジア太平洋経済協力首脳会議は中止となったが、米国は引き続き11月半ばに合意に署名する意向を示した。外部環境好転でリスクオンの流れが続き、香港株は高値を試す展開が期待される。
7~9月期決算発表の企業にも注意を払いたい。決算を材料に個別銘柄を物色する動きが強まろう。テンセント(00700)は13日に決算発表を予定。
(10/31記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【10月回顧】前半右肩上がりも後半は伸び悩む
10月の中国市場で、各指数は国慶節連休明けから大きく上昇した。上海総合指数は14日に1.15%高と5営業日続伸。一時、約1カ月ぶりの高値となる3,007ptまで買われた。米国が対中関税の引き上げを先送りしたことや、中国の景気浮揚策への期待などが相場を押し上げた。ただ、中国の7~9月期GDPが低水準(前年同期比6.0%増、10/18発表)となったことで景気減速懸念が高まり、売り圧力も出た。
中国国旅(601888)、新希望六和(000876)が上場来高値、歌爾(002241)、順豊HD(002352)が年初来高値を更新するなど内需株の動きが目立った。
【11月見通し】海外資金の流入期待が相場の支えか
深セン成分指数:9,000~10,500pt
11月の中国市場で、上海総合指数と深セン成分指数は底堅い展開となりそう。米中首脳会談の開催などで貿易交渉に何らかの進展があれば、投資家マインドを押し上げよう。
注目イベントは、ネット通販が盛り上がりを見せる「独身の日」(11日)。蘇寧易購集団(002024)など関連株の値動きを注視したい。また、MSCI新興国指数における中国A株の組み入れ比率が再度引き上げられる(2.14%⇒3.33%、27日発効予定)。江蘇恒瑞医薬(600276)、美的集団(000333)、宜賓五糧液(000858)など大型株の物色が強まろう。
(10/31記:上海駐在員事務所 山藤)