香港市場
【9月回顧】前半は大きく反発、後半は下落基調
9月の香港市場は逆V字型の展開となった。前半は米中対立緩和への期待や世界的な金融緩和などを好感し、ハンセン指数は11日に27,000ptを突破し、8月1日以来約6週間ぶりの高値まで反発。ただ、米中貿易交渉の先行き懸念や長引く香港のデモ活動などが嫌気され、月半ばから下落基調に転じ、ハンセン指数は26,000ptを割り込んだ場面もあった。
個別銘柄では、アップルと華為技術(ファーウェイ)の新機種発売などで、舜宇光学科技(02382)やAACテクノロジーズ(02018)などスマホ部品メーカーの値動きが目立った。
【10月見通し】米中交渉に注視、神経質な展開か
10月の香港市場は引き続き上値の重い展開になりそうだが、下値も限定的と見ている。世界的な金融緩和、割安なバリュエーションや中国マネーの流入継続見込みなどは相場の支えとなろう。10月7日の週に米中閣僚級貿易交渉が行われると伝えられており、交渉の結果次第で香港市場が乱高下する可能性がある。相場を動かす材料となる景気動向には注意が必要だ(9月の中国製造業PMIは9月30日に発表予定)。また、人民元相場、長引く香港の抗議活動や英国のEU離脱問題などの進展にも注意を払おう。
10月1日は国慶節、7日は重陽節で休場となる。
(9/25記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【9月回顧】前半は買い優勢も後半は伸び悩み
9月の中国市場は、前月の流れを引き継ぎ概ね買い優勢だった。上海総合指数は9日に約2カ月ぶりの高値となる3,026ptまで買われ、深セン成分指数も同日に約5カ月ぶりに10,000 pt台を回復。金融緩和やインフラ投資拡大方針などが支援材料となった。原油価格上昇などの影響で、月後半は伸び悩んだ。
個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)など海外投資家に人気の高い銘柄が上場来高値を更新。ストックコネクト経由(香港⇒中国)による買い越し額(9/1~9/20)は607億元に達し、単月ベースで過去最高となっている。
【10月見通し】5GやAIなどハイテク関連に注目か
深セン成分指数:9,000~10,500pt
10月の中国市場で、上海総合指数は3,000pt前後、深セン成分指数は10,000pt前後でのもみ合いが続くと見られる。政策の後押しが支援材料となろうが、月上旬に開催される米中閣僚級協議は相場の変数。ただ、売られ過ぎの場面では外資勢が買い支える傾向にあるため、相場の大崩れはないと見られる。
20~22日まで浙江省烏鎮で開催される世界インターネット大会では、5Gや人工知能(AI)など次世代技術がテーマとして掲げられている。科大訊飛(002230)などハイテク株の値動きを注視したい。
1日から7日までは国慶節で休場となる。
(9/25記:上海駐在員事務所 山藤)