2021年の銘柄パフォーマンスを見ると、「脱炭素」のテーマに直結するリチウム電池、特高圧(UHV、超高圧送電網)、新エネルギー関連株が物色され、上昇率上位に並んだ。話題のメタバース分野の上昇も目立った。一方、中国当局によるインターネット業界への規制や不動産業界に対する引き締め強化を嫌気し、香港上場のテック系や不動産関連株が軒並み下落した。
リチウム電池・特高圧・メタ関連の上昇目立つ
当社アナリストのカバレッジ47銘柄(香港上場株24銘柄、上海A株12銘柄、深センA株11銘柄)を対象に、20年末終値から21年12月17日終値までの騰落率を算出し、パフォーマンスの上位と下位15銘柄を下表に記載した。
脱炭素関連銘柄は人気だった。電気自動車(EV)の販売好調を受け、リチウム電池関連株の上昇が目立った。上昇率1位は上海璞泰来新能源科技(603659)で104%上昇。4位の国軒高科(002074)は44%上昇だった。20年上昇率1位(376%上昇)のBYD(01211)も30%高と上昇基調が続いた。注目された特高圧セクターでは、送配電網オートメーションなどを手掛ける国電南瑞科技(600406)が物色され96%上昇。太陽光パネルで世界最大手の隆基緑能科技(601012)、風力発電設備大手の新疆金風科技(02208)も堅調な値動きだった。歌爾(002241)が50%上昇、舜宇光学科技(02382)が43%上昇など、メタバース関連株も買われた。
一方、海底撈国際控股(06862)は業績不振や不採算店舗の閉鎖などが相次ぎ下落率71%とワースト1位。ネット業界の規制の影響から、オンライン医療サービスを手がける阿里健康信息技術(00241)と平安健康医療科技(01833)も下落率上位に並んだ。アリババ集団(09988)や百度(09888)、美団(03690)などのテック系大手も総じてさえない展開。江蘇恒瑞医薬(600276)は46%下落。中国政府主導の集中購買政策に伴う薬価引き下げが背景にあると思われる。不動産業界の引き締め懸念が高まり、不動産開発大手の万科企業(02202)、建設機械メーカーの三一重工(600031)は低調なパフォーマンス。足元業績が芳しくない中国平安保険(02318)、永輝超市(601933)の下落も顕著だった。
(マーケット支援部 林)