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中国からの便り

第169回:生活はどこまで戻った? 肌で感じるリアルチャイナ

「中国の経済活動の戻りはどの程度なのか」――。最近よく聞かれる質問である。SNS上では「新型コロナを封じ込め、生活は元通りになった」などという楽観的な書き込みが見られる一方、「失業者が増えて所得も減少。消費マインドが戻るのは難しい」などの慎重な見方もある。元々まだら模様の中国経済。温度差があるのは仕方ない。ここでは、マクロ統計データからは見えにくいリアルチャイナを、現地在住者としての肌感覚を元に記してみたい。

まず、"コロナ前"と比べた戻り具合。様々な意見があるが、私だったら「7~8割程度」(4月下旬の上海)と答えるだろう。ただ、これは時や場所にもよる。例えば地下鉄。朝晩のラッシュ時は混雑するが、昼間は以前と異なりガラガラの車両や駅が目立つ。不要不急の外出を避けているのだろうか。ちなみに、マスク着用率はほぼ100%。地方都市では緩みもあるようだが、マスクなしではバス乗車を断られるなどの事例も聞いた。

ランチタイムのオフィス街。飲食店は徐々に賑わいを取り戻している。変わったのはテイクアウトが多くなったこと。出前需要も増え、外食に二の足を踏む人も多いようだ。一方、商業モールのフードコートは客でごった返し、「3密」(密閉、密集、密接)状態が見事に形成されているところもある。

夜の街は静かだ。火鍋などの人気店は相変わらず盛り上がっているが、閑古鳥状態の店も多い。外食ニーズの減少で客のパイが減り、飲食店ごとの勝ち負けが鮮明に現れている。「招租(貸し家あり)」という張り紙を掲げる空き店舗も明らかに増えた。

成都で食堂を営む中国の知人は、ここ3カ月の売り上げはほぼゼロだという。近くの大学が休校中なので客もまばら。家賃などのコストだけが膨らんでいく。中国の各地方政府は家賃減免の通達を出しているが、対象は国有系の施設のみ。民営は「減免を推奨する」と判断を個別に委ねており、資金繰りが厳しい個人事業主は恩恵を受けられないことが多い。

上海のオフィスビルでは、感染防止のためマイカー出勤が増えたことを受け、駐車料金を便乗値上げしたところがある。入居者からは大ブーイングだ。

ホテル業界も厳しいようだ。上海の自宅マンションから隣の大手ホテルを見ると、夕方から夜にかけて明かりが灯っている部屋は全体の10分の1もない。往時は半分以上は埋まっていた。出張や旅行需要の減退は致し方ないだろうか。

一方、意外に混んでいるのはスポーツジムだ。先週通りかかった時は、狭いスタジオに30人くらいが集まり、音楽に合わせてエクササイズに勤しんでいた。皆、マスクはしていない。密室・過密状態での激しい呼気交換がちょっと怖い。

春節(旧正月)前後に帰省した出稼ぎ労働者は、新型コロナを契機に都市生活をあきらめる人も出てきた。そのまま故郷に留まり、実家の農業を手伝ったり、細々と個人ビジネスを始めている。国家統計局は4月17日の記者会見で「3月の都市部調査失業率は5.9%で、2月より0.3pt低下した」と雇用維持に胸を張ったが、この統計にはそもそも農村戸籍者が中心の出稼ぎ労働者は含まれていない。戸籍ベースでの農村人口(19年)は中国全体で55%に上る。

さて、上海市では4月下旬から各学校が順次再開する。中国では両親や祖父母が小学生を送り迎えするため、人の流れが増えて行きそうだ。学生の姿が街に戻れば、いくぶん活気が増してくると思われる。

最後にちょこっと夜の話。いわゆる「接客を伴う飲食店」だが、私の観察ベースでは、店頭のネオンは消して静かに営業し、客を控え目に呼び込む店がいくつかある。何だかヤミ営業っぽい感じもするのだが......。それでも、店が入居するビルは出入り規制が厳しく、1階で名前と携帯電話番号を登録し、しっかり体温検査も行われていた。万が一の事態を想定し、追跡状態はバッチリだ。

私はそこまでして飲み歩く勇気はない。流行りのオンライン飲み会を開催し、スマホ上で知人と乾杯するくらいだ。実体経済に貢献できないのは非常に残念。安全第一なので、とりあえずは「夜間経済(ナイトタイムエコノミー)」の活動を控えます。当面は。

(東洋証券上海駐在員事務所奥山 要一郎)

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