中国からの便り
第72回:見直し買い優勢か 魅力的な低バリュエーション
筆者が日ごろから懇意にしている証券会社等から2015年の香港株式市場の相場展望をヒアリングして集計してみた結果、「強気」の見通しが多いことがわかった。
15年のハンセン指数の上値目処を25,000~27,000pt(14年12月11日終値比+7.2%~+15.8%)の範囲内に設定する金融機関が多かった。
強気の見通しを提示した主な理由としては、①海外主要株式市場と比べた相対的な割安感、②利下げなど中国政府への政策期待、③米国をはじめとする世界経済の回復見通し、④「滬港通」(上海と香港の株式市場の相互乗り入れ)を通じた中国から新規マネーの流入加速観測――などが挙げられた。
某投資銀行は「香港株式市場の低バリュエーションは魅力的である。香港主要指数の株価収益率(PER)は米国をはじめとする先進諸国だけでなく、中国やインドなどの新興国の主要株価指数をも大きく下回っているため、15年に水準訂正の機運が高まるだろう」と、低バリュエーションの是正を予想していた。
「中国市場の急騰を受けて、A・H重複上場銘柄の中でH株のディスカウント率が拡大している銘柄は、今後割安感の見直しで買われるだろう」と、その価格差に投資チャンスがあると訴える中国系証券会社もあった。
また、「香港上場小型株の平均PERは約9倍、一方で中国上場小型株の平均PERは約35倍。中国の投資家にとって、香港上場小型株は非常に魅力的であり、今後小型株物色の動きが始まる可能性が高い」とする声も聞かれた。
一方、株式相場の上昇を抑える要因としては、①米国の利上げ(「早ければ15年半ばになる」と見込む声が多い)に伴う新興国市場からの投資マネー流出リスク、②中国政府は中国経済が「新常態」に移行しつつあると強調しているため、経済成長の下振れ時に景気刺激策を実施しないリスク、③不動産価格の下落をきっかけに中国の金融システムへの不安が再浮上するリスク、などが挙げられた。
15年の主な注目テーマとしては、国有企業改革、消費・サービス、環境、金融などを挙げる証券会社・投資銀行が多かった。国有企業改革は習近平政権が取り組む経済構造改革の中でもっとも注目を集める政策の 一つであり、経営効率の向上などが企業業績の拡大につながると期待されている。また、中国は投資・輸出主導型から内需主導型経済成長への構造転換を積極的に推進しており、中長期的に、医療やインターネットなど幅広い消費・サービス関連市場の拡大が見込まれる。
中国国民の環境問題への意識が高まると同時に、中国政府による環境対策の強化が進められている。近日中に「水汚染防治行動計画(水十条)」が公布される見込みで、水処理関連銘柄がその恩恵を享受すると予想する関係者も多かった。
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