3/18~22の中国株式市場は利食い売りに押される可能性も。
3/9に発表された2月消費者物価指数(CPI)は春節の影響もあり前年同月比+0.7%と、1月の同-0.8%から上昇率がプラスへ転じた。デフレ懸念は後退しつつあるようだ。中国株は割安感や今年の政府活動報告での景気下支え策やハイテク重視の姿勢を受け、海外からの資金も戻りつつある。ハンセン指数は3/12に前日比+3.1%と大幅に上昇した。
3/18に発表予定の1~2月主要経済指標は、1~2月購買担当者景気指標が示すように、春節の旅行需要の拡大を除いては、概ね景気低迷が続いていることを示そう。ただし、全国人民代表大会(3/5~11開催)で示された今年の財政支出の合計額は前年比+7.8%と、昨年実績の同+2.7%を大幅に上回る。政府は積極的に景気下支えを図るようだ。また、昨年増発した国債1兆元のうち5000億元は今年に使用する予定のため、早々にインフラ投資等の政策が出ると期待される。
中国株式市場は、香港市場が1月に、本土市場が2月に底打ちし反発している。1~2月経済指標が市場予想を下回れば、3/18の週は利食い売りに押される局面もあろう。ただ、月末にかけて上場企業の決算が山場を迎えるため、個別物色の展開で持ちこたえよう。中期的には景気持ち直し期待を背景に、上昇基調は維持すると考える
(3/13記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
周大福珠宝集団(チョウ・タイ・フック・ジュエリー)(香港・01929/Z8145)
◆23年9月末で本土に7458店舗、香港・マカオに86店舗。オンライン販売も展開。売上に占める購入比率が高い同社会員顧客は665万人(23年3月末比で約4.4%増)
◆24/3期上期は前年比6.4%増収、同36.4%増益。粗利益率は前年同期比1.3%pt上昇の24.9%
◆3Q(23年10~12月)の販売額が前年同期比46.1%増加した。そのうち、中国店舗の販売額は前年比効果で同22.7%伸びた(上期は3.5%減)。また、香港・マカオ店舗による販売額も同66.6%増と上期の59.6%増を上回った。人民元ベースの金価格の高騰に加え、24年の香港旅行ニーズも高まり、香港・マカオ店舗の売上高に寄与しよう
(投資情報部 呉)
百勝中国控股(ヤム・チャイナ・ホールディングス)(香港・09987/Z9090、米国・YUMC/A8751)
◆米外食チェーン大手ヤム・ブランズ(YUM)が、中国事業を分社化する形で2016年に成立。中国本土で独占的に「KFC」「ピザハット」などを運営
◆23年通期の総収入は前年比14.7%増、純利益は同87.1%増。営業利益率は同3.7%pt上昇の10.6%に改善。23年の全店舗売上高は前年比21%増加した
◆23年末の店舗数は前年比13%増の1万4644店に達し、うち「KFC」「ピザハット」の店舗純増数は過去最多。26年は2万店に増やす目標。中国景気減速を受けて、価格帯が低いファストフード市場が拡大すると見込まれ、同社にとってメリット大。24年に米国と香港市場で12.5億米ドル自社株買いする計画
(投資情報部 呉)