25日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前日比412.85pt(1.67%)安の24,243.61ptだった。米金融政策やウクライナ情勢の先行き不安を背景に、朝方から売りが目立った。中国本土や香港で新型コロナウイルス対応の行動規制が続き、景気の下振れ懸念も根強い。アジア時間25日午後の米株価指数先物が下げ幅を広げたことも嫌気され、ハンセン指数は午後に一段安となった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同2.64%安だった。香港株相場の予想変動率を示すハンセンボラティリティー指数は、投資家の不安心理が高まった状態とされる20超えが続いた。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1464億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで23億3400万香港ドルの買い越しだった。
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比66ドル77セント(0.2%)安の34,297ドル73セントで終えた。26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの積極化を警戒した売りが優勢となった。押し目買いが入って午後に一時上げに転じたが、買いの勢いは続かなかった。ウクライナ情勢の緊迫化も重荷となった。金利が上昇すると売られやすいハイテク株の下げが目立った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落し、同315.835pt(2.3%)安の13,539.295ptで終えた。半導体の英アーム買収を断念する方向だと伝わった半導体のエヌビディアは同4%下落した。
本日の香港株式市場は不安定な相場が継続か。前日の米株式市場で主要株価指数がそろって下落した流れを引き継ぎ、安く始まるとみられる。ただ、押し目買いで下げ渋る可能性もあり、ハンセン指数は一進一退の展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
不安定な動きが継続も、下値では買いが入ろう
25日の中国・上海株式市場は大幅に反落した。上海総合指数の終値は前日比91.0438pt(2.58%)安の3,433.0612ptだった。心理的節目の3,500ptを下回り2021年8月20日以来、およそ5カ月ぶりの安値を付けた。米金融政策や国際情勢への懸念が強まり、軒並み大幅安となった。上海総合指数は、中国本土が来週から春節(旧正月)に伴う大型連休に入るため、持ち高調整目的の売りも出やすかった。上海と深セン市場の売買代金は合計で9368億元と、3日連続で節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで35億7400万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが買い越しとなり、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクタ、603986)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は不安定な動きが継続しそうだ。米金融引き締めやウクライナ情勢への警戒感が相場の重荷となろう。一方、上海総合指数は前日に約5か月ぶりの安値を付けたため、下値では買いも入りやすい状況か。
(マーケット支援部 床井)