11日の香港株式市場は4営業日ぶりに反落した。ハンセン指数の終値は前日比7.48pt(0.03%)安の23,739.06ptだった。中国本土や香港で新型コロナウイルスの感染抑制に向けた行動規制が広がり、投資家がリスク回避姿勢を強めた。指数は前日に約1カ月ぶりの高値を付けており、利益確定の売りも出た。指数は上昇する場面もあった。香港政府は11日午前、夜間の営業を禁止している飲食業界への補助金支給など支援方針を明らかにした。中国政府の景気下支え策に対する期待も続いており、相場の支援材料となった。スポーツ用品の安踏体育用品(02020)などの中国消費関連株が安く、自動車株も下げた。半面、バイオ医薬の薬明生物技術(02269)や、不動産の中国海外発展(00688)が高かった。中国ネット大手は電子商取引のアリババ集団(09988)が下げる一方、ネットサービスのテンセント(00700)が上げるなどまちまちだった。香港メーンボードの売買代金は1296億香港ドルとなった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで17億7800万香港ドルの買い越しだった。
11日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比183ドル15セント(0.5%)高の36,252ドル02セントで終えた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言後に米長期金利の上昇が一服し、長期金利が上昇すると売られやすい高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買い直された。ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比210.621pt(1.4%)高の15,153.449ptで終えた。
12日の香港株式市場でハンセン指数は反発か。11日の米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇した流れを引き継ぎ、香港市場でもハイテク株を中心に買いが広がろう。
(マーケット支援部 林)
確りの展開か
11日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前日比26.0778pt(0.72%)安の3,567.4409ptと、約1カ月半ぶりの安値となった。朝方は上げる場面もあったが、新型コロナウイルスの感染拡大や行動規制の強化を背景に国内景気の先行き懸念が広がり、午後に入ると下げ幅を広げた。12日に中国の2021年12月の消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)の発表を控え、持ち高調整の売りも出やすかった。自動車や酒造、食品株が安い。電子部品や軍事関連、家電関連株が売られた。石炭やバッテリー関連株も軟調だった。半面、中医薬や銀行株が高く、鉄鋼や電力株の一角も買われた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで40億2700万元の売り越しだった。個別では、牧原食品(ムーユエン・フーズ、002714)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)などが買い越しとなり、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
12日の中国本土市場は確りの展開か。米国株式市場が堅調だった流れを受け、買いが先行しそうだ。経済指標では、日本時間10:30に中国の12月の消費者物価指数(CPI)・卸売物価指数(PPI)が発表される予定。経済指標の結果次第では値動きが大きくなる可能性もあろう。
(マーケット支援部 林)