2日の香港株式市場でハンセン指数は続伸した。終値は前日比130.01pt(0.54%)高の23,788.93ptだった。指数が年初来安値圏にあり、値ごろ感に注目した買いが優勢となった。香港時間2日の米株価指数先物が堅調に推移したことも投資家心理を支えた。ただ、中国のネット規制への警戒からハイテク株には売りが出て、指数の上値は限られた。中国の不動産企業の資金繰りへの過度な懸念も後退し、碧桂園控股(カントリー・ガーデン、02007)をはじめ中国の不動産株が軒並み上げた。一方、中国電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)が上場来安値を更新し、前日比2.5%安で取引を終えた。米アップルを主要取引先とする音響部品の瑞声科技控股(AACテクノロジーズ、02018)は、アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」の需要減速観測が売りの材料となった。香港メーンボードの売買代金は1475億香港ドルと前日(1394億香港ドル)からやや増えた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで13億7000万香港ドルの買い越しだった。
2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比617ドル75セント(1.8%)高の34,639ドル79セントで終えた。1日の上げ幅としては今年最大だった。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大や米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)加速への警戒を背景に、ダウ平均は直近2日間で1,100ドルほど下落したが、2日は幅広い銘柄に自律反発狙いの買いが優勢となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発し、前日比127.268pt(0.8%)高の15,381.320ptで終えた。
3日の香港株式市場でハンセン指数は上値の重い展開か。前日の米国株式市場が上昇した流れを引き継ぎ買いが先行しそうだが、「オミクロン型」による不透明感の高まりから、上値は限定的と思われる。
(マーケット支援部 林)
もみ合いか
2日の中国・上海株式市場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前日比3.0495pt(0.08%)安の3,573.8358ptだった。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大を受け、世界経済の正常化が遅れるとの警戒感がくすぶっている。一方で、前日までに発表された中国の統計指標では、企業の生産活動に改善の兆候もみられた。目新しい取引材料に欠けるなか、指数は前日終値近辺での値動きが続いた。医療関連サービスが安く、空運や観光関連株が軟調。通信や物流、ソフトウエア、金鉱、電力株も売られた。半面、自動車株が総じて買われ、石炭や鉄鋼、証券株が上昇した。深セン市場では、車載電池の寧徳時代新能源科技(CATL、300750)が上場来高値を更新した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで30億2100万元の買い越しだった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆1533億元と前日から小幅に増え、30日連続で節目の1兆元を上回った。個別では、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)などが売り越しとなった。
3日の中国本土市場はもみ合いか。目新しい材料が見当たらない中、方向感を掴みづらい動きとなりそうだ。経済指標では、日本時間10:45に11月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定。
(マーケット支援部 林)