週明け20日の香港株式市場で、ハンセン指数は大幅に反落。終値は前営業日比3.30%安の24,099.14ptだった。ハンセン指数は序盤に下げ幅を拡大し、中盤以降は心理的節目の24,000pt付近でもみ合いとなった。終値は同水準を守ったものの、2020年10月6日以来ほぼ11カ月半ぶりの低水準だった。中国当局が香港地場の不動産開発大手に住宅不足の解消に協力するよう指示したと伝わり、企業統制の強化を嫌気した売りが幅広いセクターに広がった。中国恒大集団(03333)の債務問題の波及も引き続き警戒された。21~22日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、結果を見極めたい投資家は買いを手控えたもよう。前週末の米株式市場が下げた上、アジア時間でダウ平均先物が下落したことも地合いを悪化させた。メーンボードの売買代金は概算で1417億8000万香港ドル。中国本土市場は中秋節の連休のため本日が休場、香港市場は中秋節の翌日で明日が休場となる。
20日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前週末比614ドル41セント(1.8%)安の33,970ドル47セントと2カ月ぶりの安値で終えた。中国の不動産大手、中国恒大集団の経営不安の高まりを背景にリスク回避の動きが広がった。資本財や金融など景気敏感株に加え、主力ハイテク株が売られた。21~22日開催のFOMCへの警戒も重なり、ダウ平均の下げ幅は一時971ドルに達した。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に続落し、前週末比330.065pt(2.2%)安の14,713.903ptで終えた。
21日の香港株式市場でハンセン指数は安寄り後落ち着き処を探る展開か。米国市場上場のADR終値に基づく本日のハンセン指数の寄値目安は前日比315.2pt安となっており、売り先行のスタートが予想される。下げの背景の一つとされる中国恒大集団の債務不履行問題について、中国の監督当局は今年6月には金融機関にストレステストを実施するよう指示しており、市場には、最終的には中国政府が救済に乗り出し、市場の不安が和らぐシナリオを想定する向きもあるようだ。一方で、一部の海外投資家には中国政府による香港支配強化を懸念する向きもあるよう。外電は17日、消息筋情報として、「中国が香港の不動産業界に対しても支配力を強化しようとしている」と報じた。香港の大手デベロッパーに対し、中国の利益のために資源を投入し、住宅不足問題の解決に協力するよう求めたという。19日実施された香港政府トップの行政長官や立法会(議会)議員の一部を選ぶ「選挙委員会」の委員選挙では、候補者から民主派が排除され、「親中派一色」の結果となった。当面は不安定な動きが続きそうだ。
(マーケット支援部 井上)