連休明けとなる7日の香港株式市場でハンセン指数は上値の重い展開か。29,000pt台回復が期待されるも、6日の米国株の下落を受け、目先的な上値の重さが意識されそうなほか、米国政府が2022年に中国の北京で開催される冬季五輪のボイコットを検討していると伝わったことも、投資家心理の重荷となりそうだ。一方で、ワクチン普及による経済正常化への期待は根強いと思われ、下値は押し目買いが支える展開か。連休期間中の好調が伝わった旅行や映画関連など、個別銘柄を選別物色する動きが強まりそうだ。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比96ドル95セント(0.3%)安の33,430ドル24セントで取引を終えた。前日に好調な米経済指標を支えに1週間ぶりに過去最高値を更新しており、直近に上昇が目立っていた銘柄に短期的な利益確定売りが出た。ただ、新型コロナワクチンの普及による経済再開の期待は根強く、下値は堅かった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比7.213pt(0.1%)安の13,698.380ptで終えた。
(マーケット支援部 井上)
海外投資家の売買動向に注目が集まろう
休場明け6日の中国・上海株式相場は小幅に反落した。上海総合指数の終値は前営業日の2日と比べて1.4250pt(0.04%)安の3,482.9674ptだった。中国当局が金融や不動産市場などの引き締めに動くとの警戒感がくすぶるなか、前営業日に上げが目立った高PER(株価収益率)銘柄や新興ハイテク株などを中心に短期的な利益確定目的の売りが出た。一方で、6日発表の3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)や2日発表の米雇用統計など、中国国内外の経済指標の改善が投資家心理を下支えした。指数は前営業日の終値を挟んで一進一退の展開が続いた。上海と深セン市場の売買代金は合計で6601億元と、前営業日から約8%減。香港市場が休場のため、香港とのストックコネクト取引を利用した海外投資家による中国株売買は停止した。
7日の中国本土市場は方向感を探る展開か。本日よりストックコネクト取引が再開となる予定。堅調な経済指標に加え連休期間中の旅行・映画興行収入も好調だったと伝わる一方で、米国の北京五輪ボイコット示唆が報じられるなど、好悪材料入り混じる状況となっている。方向感を探る上でも海外投資家の売買動向に注目が集まりやすい流れとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)