25日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比355.93pt(1.19%)高の30,074.17ptと、3万台を回復した。前日に3%近く急落したため、金融や不動産を中心に値ごろ感を意識した買い戻しが入った。一方、米長期金利の上昇懸念からネット関連などのグロース(成長)株は上昇の勢いに欠け、相場は伸び悩む場面もあった。ハイテク関連銘柄で構成するハンセンテック指数は6営業日ぶりに反発し、前日比1.45%高の9496.79だった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで17億香港ドルの買い越し。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は2568億香港ドルと、過去最高だった前日から27%減少した。
25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反落し、前日比559ドル85セント(1.8%)安の31,402ドル01セントで取引を終えた。米長期金利が一時1.61%と昨年2月以来の水準に上昇し、金利が上がると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)銘柄が売られた。投資家心理が悪化し、このところ上昇していた景気敏感株にも売りが広がった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に反落し、前日比478.535pt(3.5%)安の13,119.431で終えた。
26日の香港株式市場でハンセン指数は大幅反落か。米金利の上昇を受け25日の米株式市場でハイテク株を中心に売られた流れを香港市場も引き継ごう。月末となる週末が近いこともあって、利益確定や持ち高整理の売りも出やすいと思われる。ハンセン指数は年初来下値支持線となっている25日移動平均線(29,747pt)を維持できるかがポイントになりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
金融株や不動産株の堅調展開が続くか注目
25日の中国・上海株式市場は4日ぶりに反発した。上海総合指数の終値は前日比20.9659pt(0.58%)高の3,585.0458ptだった。前日まで3日続落で3%超下落していたため、値ごろ感に着目した買いが優勢だった。不動産株や資源・素材株など大型株に買いが入り、指数は堅調に推移した。不動産市況の回復期待に加え、中国政府が供給側改革の一環として進める土地制度改革が不動産企業に有利に働くとの思惑が浮上し、不動産株が軒並み急伸したほか、金融株やインフラ関連、公益株なども上昇。商品市況の先高観も根強く、資源・素材株も大きく上げた。一方で、深セン株は続落。深セン成分指数の終値は前日比0.28%安の14,828.800pt、新興企業向け市場の創業板指数は同1.00%安の2,977.175ptで取引を終えた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は9341億元と、節目の1兆元を下回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで7億3400万元の売り越し。個別では、三一重工(サニー・ヘビー・インダストリー、600031)、万華化学(ワンファ・ケミカル、600309)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(ウーリィアンエー・イービン、000858)、アイフライテック(002230)、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
26日の中国本土市場は軟調な展開か。海外株安が投資家心理に影響を与えよう。ハイテク株の軟調展開が予想される中、昨日堅調だった金融株や不動産株の堅調な動きが続くか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)