年明け4日の香港株式市場は4営業日続伸した。ハンセン指数の終値は前営業日の2020年12月31日と比べて241.68pt(0.88%)高の27,472.81ptと節目の27,000ptを上回り、同年2月20日以来およそ10カ月半ぶりの高値となった。ドルの先安観から人民元などの新興国通貨が上昇し、アジアの新興国市場への資金流入期待が相場の支えとなった。中国本土株式相場が良いスタートを切ったのも支えとなり、本土市場と同様に香港でもテクノロジーや新エネルギー関連など成長銘柄への買いが目立った。個別では、米テスラの中国販売への期待から、電池用リチウム化合物などを生産するガンフォン・リチウム(01772)など「テスラ関連」銘柄が大幅に上昇した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで134億9500万香港ドルの買い越しだった。
4日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前営業日の昨年12月31日に比べ382ドル59セント(1.3%)安の30,223ドル89セントで終えた。5日のジョージア州の上院決選投票を前に持ち高調整や利益確定の売りが優勢となった。また、新型コロナウイルスの感染拡大やワクチン供給が遅れていると報じられたことも投資家心理を冷やした。ダウ平均の下げ幅は一時700ドルを超えた。ただ、下値では買いも入り、ダウ平均は午後にじわりと下げ幅を縮める展開。ワクチン普及や米連邦準備理事会(FRB)によるゼロ金利政策の継続で、今年の株高を予想する声は多い。
本日の香港株式市場は、前日の米国株式市場が下落した流れを引き継ぎ、安く始まると見られる。ただ、アジアの景気回復や資金流入を意識し運用リスクを積極的にとる雰囲気が続いており、底堅い展開となろう。
(マーケット支援部 床井)
【中国本土市場】好悪材料入り混じる中、神経質な展開か
4日の中国・上海株式相場は3日続伸した。上海総合指数の終値は前営業日の12月31日に比べ29.8891pt(0.86%)高の3,502.9584ptだった。節目の3500ptを上回り、2018年1月29日以来およそ2年11カ月ぶりの高値だった。1~3月期企業業績の大幅な改善予測など相場の先高観は根強く、新興企業株や消費関連株などに買いが入った。深セン市場で深セン総合指数、新興企業向け市場の「創業板」指数はともに昨年来高値を更新し、それぞれ2.45%、3.77%上げた。上海と深セン市場の売買代金は前営業日比21%増の1兆1643億元だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで5億4200万元の売り越しだった。個別では、宜賓五糧液(ウーリャンイェー・イビン、000858)、ラックスシェア(002475)、瀘州老窖(ルーヂョウ・ラオジャオ、000568)などが買い越しとなり、ハイクビジョン(002415)、隆基緑能科技(ロンギ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、中国平安(ピンアン・インシュアランス、601318)中国中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は、外部情勢の不透明感で神経質な展開か。世界的な新型コロナウイルス感染再拡大を嫌気した売りが広がっていることが相場の重荷となりそうだ。ただ、中国人力資源社会保障部は12月30日、年金基金の株式投資枠に関し、将来的に最大40%まで拡大する方針を表明しており、流入資金は最大で3000億人民元に達する見込みと見られる。年金マネーの流入拡大は個人投資家の買い安心感を支えよう。
(マーケット支援部 床井)