22日の香港株式市場は小幅に5日続伸。ハンセン指数の終値は前日比31.71pt(0.12%)高の24,786.13ptと、9月3日以来約1カ月半ぶりの高値だった。21日の米株式市場の下落や米国の中国メディア規制の強化が投資家心理の重荷となり、指数は午前に0.8%安まで売られる場面があったが、次第に押し目買いが入り、午後になって上昇に転じた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで21億3500万香港ドルの買い越しだった。
22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比152ドル84セント(0.5%)高の28,363ドル66セントで取引を終えた。米国の追加経済対策への合意期待が再び高まったほか、市場予想を上回る米経済指標の発表が相次いだのも、過度な景気懸念を和らげた。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も反発し、前日比21.31pt(0.2%)高の11,506.01ptで取引を終えた。
23日の香港株式市場でハンセン指数はこじっかりもみあいの展開を想定。日本時間10時(現地時間22日夜)から米大統領選投開票日前最後のテレビ討論会が開催される予定となっており、討論会の内容を受けた米株価指数先物の時間外取引の動向に、香港市場も左右される流れとなりそうだ。昨日の香港市場では、マカオのカジノ関連株に高いものが目立ったが、背景にはサンズ・チャイナ(01982)の7~9月期決算をきっかけに業績の持ち直し期待が強まったことがあったよう。足もとではマカオの観光ビザの発給も再開されており、先行きの業績不安の後退とともに投資資金の流入が続くか注目されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
「5中総会」を前に政策期待が支える展開か
22日の中国本土株式市場は小幅に続落。上海総合指数の終値は前日比12.5242pt(0.37%)安の3312.5005ptと、9日以来約2週ぶりの安値となった。中国共産党の重要会議である第19期中央委員会第5回総会(5中総会)や、アリババの金融子会社アント・グループの新規株式公開(IPO)を前に買い手控えムードが強く、上海総合指数は一時3,300ptの節目を下回った。深セン市場は、深セン成分指数が前日比0.53%安、ベンチャー企業向け市場「創業板」指数が同0.99%安と軟調だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は合わせて成約ベースで27億4900万元の売り越し。個別では、格力電器(000651)、分衆伝媒(002027)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)、興業銀行(601166)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、ハイクビジョン(002415)、ラックスシェア(002475)、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)、伊利実業集団(600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場で主要指数は小反発の動きを想定。来週26日から始まる「5中総会」を前に政策期待が支える展開となろう。本日は、現地取引ルールにより、ストックコネクト・ノースバウンド取引が休止となる。
(マーケット支援部 井上)