19日の香港株式相場は続伸した。ハンセン指数の終値は前週末に比べ155.47pt(0.63%)高の24,542.26ptだった。米追加経済対策の協議進展への期待からアジア時間19日の米株価指数先物が上げており、香港市場でも投資家心理の支えとなった。ハンセン指数は朝方に1.6%高まで上げる場面もあったが、取引時間中に発表された中国の7-9月期実質国内総生産(GDP)が前年同期比4.9%増と市場予想を下回ると、急速に伸び悩んだ。中国電子商取引大手のアリババ集団は一時1.8%高まで上げ、上場来高値を更新した。傘下の金融会社アント・グループの新規株式公開(IPO)が中国の証券当局に承認されたうえ、中国スーパーの高シン零售(サンアート・リテール)に追加出資し傘下に収めると発表したことが好感された。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで25億9600万香港ドルの買い越しだった。
19日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前週末比410ドル89セント(1.4%)安の28,195ドル42セントで終えた。追加経済対策が成立するとの期待が剥落し、売りが膨らんだ。欧米での新型コロナウイルス感染の再拡大も投資家心理を冷やした。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落し、前週末比192.67pt(1.7%)安の11,478.88ptで終えた。
本日の香港株式市場は、昨日の米国株式市場が大幅安で引けたことを受け、幅広い銘柄が売られそうだ。ただ、新型iPhoneの中国での予約販売が好調だと伝わっており、スマホ部品メーカーなどアップル関連銘柄の売買が活発化する可能性がありそうだ。
(マーケット支援部 床井)
好材料出尽くしで軟調か
19日の中国・上海株式相場は反落した。上海総合指数の終値は前週末比23.6911pt(0.71%)安の3312.6671ptと、9日以来の安値を付けた。朝方は米中など世界の消費回復を好感する買いが先行したが、午前の取引時間中に発表された中国の7-9月期の実質国内総生産(GDP)の伸びが市場予想に届かず、失望売りが優勢となった。指数は午前に下げに転じた後、午後は弱含んだ。地合い悪化に伴い、これまで上昇が目立っていたハイテク株に利益確定売りを出す動きが加速した。半面、中国人寿保険が年初来高値を更新するなど、金融株には買いが入った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで32億4400万元の売り越しだった。個別では、格力電器(000651)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、立訊精密工業(002475)、貴州茅台酒(600519)、中国中免(601888)などが売り越しとなった。本日の中国本土市場は、売り優勢となりそうだ。米追加経済対策の成立に不透明感が増したことに加え、中国国内においても好材料の出尽くし感が広がったことで日中を通じて軟調に推移しそうだ。全体相場が動きづらい中、材料の出た個別銘柄を選別物色する動きが見られそうだ。
(マーケット支援部 床井)