15日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに反落。終値は前日比508.55pt(2.06%)安の24,158.54ptと9日以来の安値を付けた。米経済対策の遅れや欧州での新型コロナウイルスの感染拡大などで世界景気の先行き不透明感が高まり、投資家の運用リスク回避姿勢が強まった。午前に発表の中国の9月の物価統計がさえない内容だったうえ、香港時間15日午後の米株価指数先物が軟調に推移したことも地合いを冷やし、ハンセン指数は午後に下げ幅を広げた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで37億8300万香港ドルの買い越しだった。
15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比19ドル80セント(0.1%)安の28,494ドル20セントで取引を終えた。新型コロナウイルスの感染急増で英仏が外出規制などを強め、投資家心理を冷やしたものの、米政府の追加経済対策への期待から景気敏感株などが買い直され、ダウ平均は下げ渋った。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比54.86pt(0.5%)安の11,713.87ptで取引を終えた。
本日の香港市場でハンセン指数はもみ合いか。欧州で新型コロナウイルスの新規感染者数が再び急増しており、投資家心理の重荷になりそうなものの、米国の追加経済対策への期待が支えとなろう。また昨日大幅安した反動から自律反発を狙う買いも下支えとなりそうだ。一方で、週明け19日に中国の7-9月期GDPほか主要経済指標が発表される予定となっており、取引終盤にかけては内容を見極めたいといったムードが強まる展開も想定しておきたい。ハンセン指数は25日移動平均線の位置する24,100pt近辺を意識した動きとなりそうだ。
(マーケット支援部 井上)
一進一退の展開か。主要経済指標の内容を見極めたいといったムードが強まろう
15日の中国本土株式市場は続落。上海総合指数の終値は前日比8.595pt(0.25%)安の3,332.1832pt、深セン成分指数の終値は同66.152pt(0.48%)安の13,624.89ptだった。米国務省がアリババ集団傘下の金融会社アント・グループを事実上の禁輸リストに追加する提案をしたと伝わり、米国による中国企業への制裁強化への警戒が相場の重荷となった。ただ7~9月期の企業業績改善への期待から下値は限られた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで3億3200万元の売り越し。個別では、格力電器(000651)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国中免(601888)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、宜賓五糧液(000858)、分衆伝媒(002027)、ラックスシェア(002475)、貴州茅台酒(600519)、恒生電子(600570)、興業銀行(601166)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は一進一退の展開か。政策期待は根強いものの、19日の主要経済指標の発表を控え、動きづらい一日となりそうだ。昨日発表された9月の物価統計では消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率が1.7%と1年7カ月ぶりの低水準となった。豚肉の価格高騰の影響が和らいだことが主因だが、家計の節約傾向も背景にあるようで、市場には物価の伸び鈍化は力強さを欠く消費を映し出しているとの指摘もあるようだ。同時に発表された卸売物価指数も前年同月を2.1%下回り、低下率は8月(2.0%)より拡大し、足元の需要の弱さは企業間の取引価格にも表れているもよう。19日の主要経済指標の内容を見極めたいといったムードが強まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)