12日の香港株式市場は続伸。ハンセン指数の終値は前日比353.34pt高の25,244.02ptと、25,000pt台を回復し、約3週間ぶりの高値を付けた。米政府による中国製アプリの禁止措置を巡り、15日にも開催が予定される米中閣僚級協議で議題の1つにするよう中国側が求めていると複数のメディアが伝え、ハイテク株が下げ幅を縮めた。アジア時間の米株価指数先物の上昇も投資家心理を改善させた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで2億6400万香港ドルの買い越しだった。
12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比289ドル93セント高の27,976ドル84セントと、約半年ぶりの高値で取引を終えた。トランプ米大統領が11日夕に1億本のコロナワクチンの購入を発表し、ワクチン実用化への期待から市場心理が改善。主力ハイテク株が軒並み買われ、相場全体を押し上げた。
13日の香港株式市場でハンセン指数は小確りの展開か。新型コロナウイルスのワクチン実用化期待から12日の米国株市場が上昇しており、香港市場でも買いが優勢となろう。米国では主力ハイテク株が軒並み買われており、このところ軟調さが目立っていた香港のハイテク株への資金流入が期待できそうで、ハンセン指数は25,000pt台を固める動きとなりそうだ。本日は銀河娯楽(00027)、中国移動(00941)、聯想集団(00992)、李寧(02331)などが決算発表を予定している。
(マーケット支援部 井上)
反発か。内循環経済(内需主導経済)関連銘柄への注目度も徐々に高まろう
12日の中国本土株式市場は続落。上海総合指数の終値は前日比21.0244pt安の3,319.2656pt、深セン成分指数の終値は同157.746pt安の13,308.521ptだった。11日夕発表の中国の金融統計で7月末の現預金総額(M2)の伸びが6月から鈍化し、市場予想も下回った。景気が回復に向かっているのを背景に、政府が金融緩和の規模を縮小するとの思惑が広がり、株式市場への資金流入期待が後退。幅広い銘柄への利益確定売りを促した。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで16億3800万元の売り越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、恒生電子(600570)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、ラックスシェア(002475)、歌爾(002241)、ハイクビジョン(002415)、格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
13日の中国本土市場は反発か。米国市場で主力ハイテク株が買われた流れを受け、中国本土市場でもハイテク株への資金流入が期待できよう。中国国内では、中央指導部が新たに打ち出した政策方針「内循環経済(内需主導経済)」ついてのコメントが増えつつあるようだ。中国有力紙はその社説で、「内需を原動力とした成長モデルを築くには、技術力の強化で国産品の品質を向上させつつ、消費を活性化させることが不可欠だ」と指摘した。関連銘柄への注目が集まる流れも想定しておきたい。
(マーケット支援部 井上)