9日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に続伸した。終値は前日比80.98ポイント(0.30%)高の2万6210.16だった。前日の米国株やこの日の中国・上海株の上昇を好感し、買いが優勢となった。ただ、ハンセン指数は約4カ月ぶりの高値圏にあるだけに利益確定売りも出やすく、指数の上値は限られた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで74億5000万HKドルの買い越しだった。
9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比361ドル19セント(1.4%)安の2万5706ドル09セントで終えた。米国では南西部の州を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続き、米経済活動の正常化が遅れるとの見方が広がった。金融や資本財など景気敏感株を中心に売られた。
10日の香港市場は反落か。前日のNY市場でダウ平均が下落したことを受け、投資家がリスク回避の姿勢を強めそうだ。米国では新型コロナウイルスの感染が増え続けている。8日の1日当たりの感染者数は過去最多となり、経済活動の再開期待が一段と後退した。同日は原油先物相場も反落しており、関連銘柄の売りを誘いそうだ。
一方、香港市場では「当面はハイテク株の上昇局面が続く」(香港経済日報)との声が出ている。NY市場でもハイテク株主体のナスダック総合は続伸し、過去最高値を更新した。ただハンセン指数は9日に続伸し、約4カ月ぶりの高値圏にあるだけに利益確定売りが出やすい状況だ。
(マーケット支援部 松川)
底堅く推移か、売買代金の増加などを背景に相場の先高観が強まる
9日の中国株式市場で主要株価指数は8日続伸。上海総合指数の終値は前日比47.1534ポイント(1.38%)高の3450.5935、深セン成分指数の終値は同348.371pt高の13,754.743ptだった。上海総合指数の8日続伸は、18年1月12日にかけての11日続伸以来、およそ2年6カ月ぶり。中国の景気回復や海外資金の流入期待などを背景に相場の先高観が一段と広がる中、積極的な買いが続いた。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は合わせて成約ベースで79億5100万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、江蘇恒瑞医薬(600276)、などが買い越しとなったほか、宜賓五糧液(000858)、歌爾(002241)、伊利実業集団(600887)、中国中免(601888)、などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は全体として底堅く推移か。中国政府系メディアが株高を支持する論陣を張ったことや、証券口座の開設数が急増していることなどが引き続き材料視され、通貨高や売買代金の増加などを背景に相場の先高観が強まっている。ただ今月に入り本土株はほぼ一本調子で上昇していることもり、相場の過熱感も意識される状況か。
(マーケット支援部 松川)