31日の香港株式相場は反発。ハンセン指数の終値は前日比428.37pt(1.84%)高の23603.48ptだった。中国政府が発表した3月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)がともに前月から大幅に改善したことを受け中国景気への悲観的な見方が一服し、買いが広がった。前日の米国株の上昇も投資家のリスク回避姿勢をいったん後退させた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで18億2800万香港ドルの買い越しだった。
3月31日の米株式相場は反落。ダウ工業株30種平均は前日比410ドル32セント(1.8%)安の21917ドル16セントで終えた。新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が強いほか、前日に大きく上げた反動で売りが優勢となった。新型コロナの感染者数の大幅な増加が続き、米国の死者は31日に3000人を超えた。米大手証券が4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前期比年率で34%減ると予想し、経済活動の低迷が長引くとの懸念が改めて強まった。
本日の香港市場は反落か。昨日の米国市場が大幅安となった流れを受け、売り先行のスタートが予想される。米国等の経済活動の低迷が長引くとの懸念が強まっている。また、昨日改善が伝わった中国製造業PMIでも海外受注の指数については50を下回り、海外需要の消失が懸念されていた。中国経済の影響を警戒する向きは多いと思われ、上値抑制要因として意識されそうだ。
(マーケット支援部 井上)
上値の重い展開か
31日の中国株式相場は小幅に反発した。上海総合指数の終値は前日比3.0824pt(0.11%)高の2750.2962pt、深セン成分指数の終値は同57.353pt(0.57%)高の9,962.304ptだった。取引開始前に発表された中国の3月の製造業と非製造業の購買担当者景気指数(PMI)は、前月に落ち込んだ反動で急上昇し、市場予想も上回った。中国は新型コロナウイルスによる経済活動の停滞から脱しつつあるとの見方が相場の支えとなった一方で、新型コロナは欧米など世界では感染が急拡大しており、輸出先の企業活動停滞が中国経済に及ぼす悪影響への懸念も浮上した。上海総合指数は買い一巡後は伸び悩み、午後には小幅な下げに転じる場面もあった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで16億5000万元の買い越し。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、海天調味食品(603288)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333)などが買い越しとなり、三一重工(600031)、伊利実業集団(600887)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は上値の重い展開を想定。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大への懸念が上値を抑えそうだ。
(マーケット支援部 井上)