香港市場
【11月回顧】決算発表銘柄を中心に個別物色が活発
香港市場は、中国不動産企業の債務問題への懸念などが引き続き重荷となり、上値を探る展開に至らず、もみ合いに終始した。7~9月期の決算発表銘柄を中心に個別物色する動きが活発化した。決算内容が失望されたアリババ集団(09988)は急落した一方、業績が市場予想を上回った京東集団(09618)は決算発表後に大きく値を上げた。ストックコネクト経由の中国マネーは109億HKDの売り越しに転じた(23日時点)。
京東集団や網易(09999)など4社がハンセン指数に新規採用された(12月6日付で実施する)。
【12月見通し】上値は重いが下値も堅い展開か
12月の香港市場は、上値が重い一方で下値も堅い一進一退の展開を想定している。
米国の量的緩和の縮小加速観測が高まっていることや新型コロナの感染再拡大による世界景気の回復が遅れる懸念などは相場の重荷となろう。一方、割安なバリュエーションを意識した買いが引き続き相場を支えよう。ハンセン指数のPBR(株価純資産倍率)は1.0倍、PER(株価収益率)は9.9倍(11/23時点)で、世界の主要株価指数と比べ、割安な水準にあると言えよう。大きく下落する場面があれば、そこは押し目買いの好機と捉えたい。
27日はクリスマス後の最初の平日で休場となる。
(11/23記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【11月回顧】前半上値が重いも後半に買い優勢
11月の中国市場で各指数はやや売り優勢でスタートも後半に値を戻した。上海総合指数は10日に約2カ月半ぶりの安値となる3,448ptまで下落。ただ、その後節目の3,600pt近辺まで切り返した。深セン成分指数も同様の動きで22日に約3カ月半ぶり高値の14,961ptまで買われた。景気減速懸念や政府の各種規制強化は相変わらず相場の足かせ材料だが、預金準備率の追加引き下げ観測から緩和期待が広がった。 1日当たり売買代金が1兆元超の大商いも続いた。
歌爾(002241)が22日に55.10元まで買われ上場来高値を更新。メタバース関連として注目された。
【12月見通し】底堅く推移か、消費セクターに注目
深セン成分指数:14,500~16,000pt
12月の中国市場で各指数は底堅く推移しそうだ。上海総合指数は3,700pt、深セン成分指数は16,000ptを目指す動きが強まると見る。新型コロナ感染の再拡大が相場の変数となろう。景気減速の懸念が強まる中、年内開催予定の中央経済工作会議においてはインフラ投資強化や内需拡大の強調が予想される。建機大手の三一重工(600031)などが賑わいそう。
年末や春節休暇(22年は1/31~2/6)は白酒販売の繁忙期で、旅行関連も盛り上がる時期だ。宜賓五糧液(000858)や免税店最大手の中国旅遊集団中免(601888)などの値動きを注目したい。
(11/23記:上海駐在員事務所 山藤)