香港市場
【7月回顧】ネット企業統制強化で軟調な展開
香港市場は、中国当局による監督・管理の強化が嫌気されたインターネット株を中心に軟調な展開が続いた。ハンセン指数は26日に27,000 ptを割り込み、20年12月22日以来およそ7カ月ぶりの安値を付けた。26日時点、ストックコネクト経由の中国本土マネーは約427億HKDの売り越しに転じた。
個別銘柄では、中国本土A株上場計画の進展や堅調な業績ガイダンスの発表などで通信キャリア大手のチャイナ・テレコム(00728)が買われた。一方、当局による教育産業の規制強化を受け、新東方教育科技集団(09901)などが急落した。
【8月見通し】決算本格化で個別物色強まる流れか
8月の香港市場は下値を固める展開となるか。
中国当局によるネット企業に対する統制強化や新型コロナ感染症の再拡大による世界景気の下振れリスクなどは引き続き相場の重荷となるが、割安なバリュエーションは相場の支えとなろう。
6月中間期の決算発表が本格化するため、業績動向を手掛かりとした個別物色の動きが活発になりそうだ。18日は吉利汽車控股(00175)とテンセント(00700)、26日は中国平安保険(02318)が決算を発表する予定。
20日には、ハンセン指数構成銘柄の見直し結果が発表される見込み。
(7/26記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【7月回顧】下落基調、上海は2カ月半ぶり安値
7月の中国市場で各指数は後半に大幅安。中国政府による民生産業統制への懸念などから、上海総合指数は26日、約2カ月半ぶりの安値となる3,424ptまで売り込まれた。中国人民銀行は預金準備率を0.5%引き下げたが(実施は15日から)、相場の後押し効果は限定的だった。もっとも、1日当たり売買代金(上海+深セン)は13営業日連続(7/1~19)で1兆元超となるなど、商い自体は活況だった。
独VWと電池分野で提携した国軒高科(002074)、太陽光の隆基緑能科技(601012)が共に上場来高値を更新。政策期待で買われるセクターが目立った。
【8月見通し】底堅く推移か、政策関連株に注目
深セン成分指数:13,000~15,500pt
8月の中国市場で各指数は底堅い推移となりそう。中国本土での新型コロナの感染再拡大が相場の変数。ただ、上海は3,450pt前後、深センは14,000pt前後で下げ渋る場面が見られるため、下値は限定的だろう。例年7月末に開催される共産党の中央政治局会議では、新エネや半導体など国策関連セクターの具体的な政策が打ち出される可能性もある。引き続き太陽光関連株などの動向に注目したい。
18日に北京で「2021世界ロボット大会」が開幕予定。南京埃斯頓自動化(エストン、002747)など産業ロボットメーカーなどが物色されるか。
(7/26記:上海駐在員事務所 山藤)