香港市場
【10月回顧】月初から緩やかな上昇基調を堅持
香港市場は、月初から緩やかな上昇基調が続き、ハンセン指数は21日に約7週ぶりの高値を更新した。大型テック銘柄で構成されるハンセンテック指数は月前半に大きく値を上げたが、後半はもみ合う展開に終始。一方、出遅れが目立つ中国本土の金融株は月の半ば頃から見直し買いが強まり、ハンセン指数の上昇に大きく寄与した。
個別銘柄では、9月にハンセン指数に新規採用された薬明生物技術(02269)とアリババ集団(09988)が21日に上場来高値を更新した。一方、増資発表の中国恒大集団(03333)は大きく値を下げた。
【11月見通し】イベント通過後、確りとした展開か
11月の香港市場はしっかりとした展開か。
開催中の「中国共産党5中総会」に投資家の注目が集まっている。3日に行われる米大統領選挙の結果次第では、一時的に波乱含みの展開となろう。ただ、イベント通過により不透明感が払しょくされ、その後はしっかりとした展開になる可能性もあろう。
7~9月期の決算発表にも注意を払いたい。決算内容次第では、個別物色の動きが強まりそうだ。5日にアリババ集団、12日にテンセント(00700)が決算を発表する予定。
13日にハンセン指数の構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
(10/26記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【10月回顧】前半は買い優勢も後半軟調
10月の中国市場で各指数は買い優勢でスタート。上海総合指数は13日に約1カ月半ぶりの高値となる3,361ptまで買われた。深セン成分指数も同日に13,820ptまで上昇。国慶節連休中の堅調な消費動向や対米ドルでの元高基調(18年7月以来の高水準)などが後押し材料。ただ、中国の7~9月期GDP(前年同期比4.9%増)が市場予想(5.5%増)を下回ったこと、アント・グループ(688688)の上場を前にした資金需給のひっ迫などから月後半は下落した。
アップル関連株の立訊精密工業(002475)や歌爾(002241)などが上場来高値を更新。
【11月見通し】外資の流入拡大やハイテク株に期待
深セン成分指数:12,500~14,500pt
11月の中国市場で各指数は戻りを試す展開となりそうだ。上海総合指数は3,500ptを目指す動きが強まると見る。米大統領選(11/3)後に米中対立への懸念がひとまず一服しそうで、これまで消極的だった海外投資家による資金流入のきっかけとなろう。
5日にアリババ集団傘下のアント・グループが上海証券取引所の科創板に上場予定。ハイテク株全体に物色が広がれば相場の後押し材料にもなりそう。また、「独身の日」(11日)前後にネット通販が盛り上がる季節でもあり、EC大手の蘇寧易購集団(002024)など関連株の値動きに注目したい。
(10/26記:上海駐在員事務所 山藤)