香港市場
【8月回顧】緩やかな上昇トレンドを形成
香港市場は、米中対立激化への懸念が強まったことを受け、月初は大荒れの展開となった。その後、出遅れていたバリュー株に見直し買いが入ったことに加え、好決算銘柄を物色する動きが活発化し、月末にかけて緩やかな上昇トレンドを辿った。ハンセン指数は24日に約1カ月ぶりの高値を付けた。
個別銘柄では、京東集団(09618)など好決算銘柄が大きく買われた。対話アプリ「微信」禁止の米大統領令の署名を受け、テンセント(00700)は一時10%急落したが、下値での押し目買い意欲が旺盛で、26日時点、株価はほぼ急落前の水準を回復した。
【9月見通し】米中関係、世界経済の動向に注目
9月の香港市場は値固めの展開か。
中間決算発表がほぼ終わり、相場の方向を左右する材料としては、米中関係や世界経済の動向などが挙げられる。米中対立激化への警戒感は根強く、上値を買い上げる勢いは乏しそうだが、割安なバリュエーションと中国本土マネーの流入継続見込みがサポート材料となろう。引き続き好決算銘柄に注目が集まると予想する。割安に放置されているバリュー株を拾う動きも継続しそうだ。
小米集団(01810)、薬明生物技術(02269)、アリババ集団(09988)の3銘柄は、7日付でハンセン指数に新規採用される。
(8/26記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【8月回顧】高値もみ合い、外資の勢いやや鈍る
8月の中国市場は高値圏でもみ合い。景況感改善や金融緩和期待などが買い材料となり、上海総合指数の18日終値は約2年7カ月ぶりの高値3,451pt。深セン成分指数は4日に一時14,012ptまで買われた。1日当たり売買代金(上海+深セン)は概ね1兆元超も、下旬にやや商いが細った。海外投資資金の流入は鈍り、ストックコネクトの買越額は17億元(8/1~25)にとどまる(7月の買越額は103億元)。
個別では内需・消費株の物色が目立った。仏山市海天調味食品(603288)、宜賓五糧液(000858)などが上場来高値を更新した。
【9月見通し】一進一退か、アップル関連株に注目
深セン成分指数:12,500~14,500pt
9月の中国市場で各指数は一進一退の展開となりそう。7月からの上昇ピッチが速く、高値圏では利益確定売りが入りやすいだろう。ただ、上海総合指数は3,200pt前後、深セン成分指数は13,000pt前後で下げ渋る場面が見られ、下値は限定的と思われる。26日に北京モーターショーが開幕する。自動車大手の上海汽車集団(600104)などが動意付くか。アップルの新製品発表をにらみ、「AirPods」を手掛ける歌爾(002241)などの値動きも気になるところ。国慶節・中秋節の連休(10/1~8)を控え、免税大手の中国旅遊集団中免(601888)なども注目されそうだ。
(8/25記:上海駐在員事務所 奥山)